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末期がん患者には
抗がん剤を使うな

 
ここで何がいいたいかと言いますと、また剛の入院のことに戻りますが、息子は、1年以上病院に入院していたんです。そうすると「お父ちゃん、家に帰りたい。家でも点滴はできる。妹と遊びたい、弟と遊びたい」と胸にすがって泣きじゃくるんです。私も情に負けてよっぽど連れて帰ろうかと思った。ただ、家に帰ったら終わり。ただ死ぬのを待つだけ。でも、今は、抗がん剤が剛の正常な細胞を蝕んでいるけど、ひょっとして奇跡が起こって抗がん剤ががん細胞のほうに向かってくれないかな。みなさんは素人だからそう思います。私は玄人です。何十年と医者をやってきて、絶対にそんなことは起こらないんです。なのにやっぱり私も祈るんです。絶対に起こりえない奇跡を祈って大学病院に入れて、結局、息子は苦しんで死ぬんだったら、早く家に連れて帰って、兄弟と遊ばせてやったら良かった。後になって気づいたこのおろかさ。プロの私がそうなんですから、素人のみなさんがやるのは当たり前なんです。
   私は西洋医学のお医者さんに言いたい。死にかかった患者さん、もう何をやってもダメな患者さんには、薬はやらない。やったって必ず死ぬから。ホスピスに行きなさい。ホスピスに行って麻薬(モルヒネ)を打って、栄養剤の点滴をして苦しまずに天国に行きなさいと。私は2年3年、治療しますよ。入院させたり、生薬などいろいろな治療をしますよ。でも、どうしてもダメな患者さんがいます。その時、私は家族に言います。「奥さん、一生懸命にやってきたけど、もうあかん。昔は私がダメと言うと大学病院に行って、半年、1年生きた人はいますよ。でも、最近の私の薬はとにかくむちゃくちゃよく効くんですよ。私はダメだと言ってがんセンターや大学病院に行って、半年、1年生きたら、私は土下座して医者をやめます。それくらい、絶対にダメなんです。だから奥さん、ホスピスに行きなさい」と言います。すると10人中5人は納得して、私はホスピスの紹介状を書きます。あとの半分は大学病院やがんセンターに行ってしまいます。やっぱり一縷の望みを持ってしまうのです。
   これはその通りなんです。どうしてかというと、奥さんは必ず大学病院の先生に聞きます。「先生、この病院で新しい抗がん剤をやって、うちのお父ちゃん助かりますか」と。そうすると大学病院の先生はなんと言うと思いますか?「やってみなければ分からない」「70%の確率です」と言う。これを言ってみろ。家族は本当に助かってほしいんですよ。そんな家族に、こんなこと言ったら千人が千人、全部抗がん剤をやりますよ。そしてみんな苦しんで死んでしまうんだ!これで年間どれだけのがん患者がのた打ち回って死んでいるか。みんな死んでいるんです。日本のお医者さん、これだけは言ってはいけない。日本のお医者さんは分かっているくせに「やってみなければわからない」というんです。「70%の確率です」なんてうそを言うな!この場合の70%はがん細胞の縮小効果は70%なんです。延命効果ではないんです。70%の確率で治ります、ではないんですよ!
   なのに日本のお医者さん、みんな抗がん剤をやる。初期にやるのはかまわん。しかし、最後に苦しめて殺すなと。

 

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