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 今年(2011年)で7回目を迎えた『統合医療展』。
 その注目度は年々増していて、医療の新しい展開を予感させるものとなりました。
 そんな統合医療展で行われたセミナーの中の特別講演をご紹介します。
 特別講演は2日間で3名の方が行い、丹羽先生とも交流のある帯津良一先生もそのひとりでした。
 今回は、初日に行われ、統合医療展のオープニングを飾った講演、
 日本統合医療学会理事で東京大学名誉教授の渥美和彦先生。
 もうひとつは、元フジテレビの報道キャスターで、現在国際医療福祉大学大学院教授の黒岩祐治氏。
 この両氏のお話を紹介します。
 片や、半世紀にも渡って西洋医学の最高峰の現場で心臓外科医として世界的にも著名な渥美先生。
 片や、フジテレビの報道キャスターとして報道し続けた救急医療現場の報道で、ついに法律もで変え、
 救命士を誕生させ、数度にわたり民間放送連盟賞を受賞している黒岩氏。
 今回の話では、お二人がどのようにして統合医療がこれからの医療というまでになったかといういきさつから、
 日本が世界に遅れをとっている現実、そして未来医療について熱く語っています。
 また、講演のあと、お二人とお話をさせていただいたら、お二人とも丹羽先生のことや業績、
 統合医療への取り組みをよくご存知で、改めての取材に快く応じてくださいました。

 

◇最先端の西洋医療だけをやっていては患者は治らない
  
渥美和彦 先生  (東京大学名誉教授  統合医療学会理事長)

   渥美先生の講演が始まったのは統合医療展開始すぐ、10時半からでしたが、会場は30分前にずでに満席で、立ち見が周囲を囲む盛況ぶり。そこに登場した先生は、80歳とは思えない肌つやでさっそうと壇上にあがられました。そしてまず、最初に話されたのは、統合医療とは!?

  最先端の西洋医療だけをやっていては患者は治らない
  西洋医療のルーツはアーユルベーダ、中国医学、ユナニ医学、世界の3大伝統医学
  外科手術、放射線、抗がん剤では救えないたくさんのいのちを統合医療が救う
  国の方針として20年以上前から統合医療の研究が勧められている欧米諸国
  統合医療は国家予算の3割占める医療費を節約できる
  これからはインドと中国が世界の医療をリードする
  数年後には統合医療からノーベル賞が出る
 

◇がん細胞と向き合い、命と向き合わない日本の医療の現状
  
黒岩祐治 氏  (元フジテレビ報道キャスター  現国際医療福祉大学客員教授)

   渥美先生の講演に続いては元フジテレビの報道キャスターで現在ジャーナリストであり、国際医療福祉大学の客員教授でもある黒岩祐治氏。テレビで良く拝見していた凛としたそれでいて親しみやすい姿そのままに、良く通る声で分かりやすく話し始めました。
   統合医療という前に、西洋医学だけでいいのかという疑問を持ち始めたのはご自身の持病である腰痛からだそうです。病院に行っても安静にしてくださいとしか言われず、湿布薬が処方されるだけ。カイロ、接骨院、鍼、ありとあらゆる民間療法を回り、ある時、アメリカでカイロの資格を持った先生に出会い、たった数分の処置でギックリ腰が治ったそうです。そのことから西洋医学の限界を認識し始めました。
   そして、今の日本の西洋医学は「命」に向き合っていないのでは。
   「病気」に向き合っているだけではないか。という思いを実感したのが、同じフジテレビの人気アナウンサーだった逸見政孝氏ががんで亡くなられたときでした。

  先輩アナウンサー逸見政孝さんの死が教えてくれたこと
  余命1ヵ月といわれた父が生きた2年半の経験が自分を変えた
  ゲノム解析で漢方にエビデンスの可能性が
  中国が漢方の権利をすべて押さえるそんなときがいずれやってくる
  西洋化で伝統医学を切り捨ててきた日本、伝統医学に医師の国家資格がある中国、韓国
  高齢化社会だからこそ統合医療が必要