「アメリカや欧米では国民の多様なニーズがあって、西洋医学だけではなくほかの方法でやってほしいという患者さんが多く、そのニーズに答えているのです。実際、体質的にモルヒネが効かない人が鍼で痛みをとって手術することもあるのです。となると、副作用のない鍼のほうがいい。残念ながら日本では鍼はごく一部の人にしか理解されていません。これから日本はかつて経験したことのない高齢化社会がやってきます。同時に医療費はどんどんかさんでいきます。国の予算が医療費だけで50兆円と言っています。それをお年寄りだけ統合医療を使って治療すると、我々の試算では13%の医療費が節約できるんです。
ところが今の日本ではこれができない。どうしてかというと、二つの大きな反対勢力があるからです。ひとつは製薬会社。ここは患者が増えて化学薬品の薬を使ってくれないと儲からない。次に医者。我々の考えは薬を減らして医者を減らすことなんです。理想は医者のいらない医療なんです。みなさんが自分たちで本当の知識を持って食事や健康管理ができれば医者なんか必要なくなるんです。アメリカでもヨーロッパでも、この二つの勢力が阻んでいます。しかし日本と違うのは、統合医療に対する国民のニーズです」
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