―――1位と2位は共に抗ウイルス薬でC型肝炎のクスリです。最近、C型肝炎はクスリで治る時代だとテレビCMでも言っていますが、このふたつのクスリがそれでしょうか?
「そうです。一昨年に発売されて、これはC型肝炎にはいいクスリです。これまでのC型肝炎はウイルス療法のインターフェロンを中心とした療法しかなかった。副作用が強くて、20%くらいにしか効かなかった。ところが、このふたつは、画期的な必要なクスリです」
―――そして3位の「抗血小板剤」。これは心筋梗塞、脳梗塞。4位はアンジオテンシンU受容体拮抗薬のひとつで高血圧のクスリですが?
「ここからが問題です。まず3位のクスリは血液を溶かして流れるようにするクスリです。しかし、大けがをしたり、抜歯したりしたときにこのクスリを常用していると、出血が止まらなくなる。大量出血につながる危険なクスリです。4位も同類のクスリ。高血圧の人はたいがいこれを飲み続けている。何度も言うが、血圧は歳と共に上がっていくのが当たり前なんです。逆に歳をとって上がらないと、体の必要なところに血が回らなくなる。貧血になる。老人がふらふらしてコケたらたいがいは大腿骨骨折。歩けなくなる。そうするとボケて一気に寝たきり老人になってしまう。いいですか、血圧はクスリで下げるものじゃない。どうして高いのか原因を考え、食生活の改善や運をすればおのずとその人のベストな血圧になるんです。それが180の人もいれば130の人もいる。個人差があるんです。規定値ばかりにとらわれてクスリに頼るのはもってのほか。4位のクスリは短期に使う分には副作用は出にくいが、長期で使うと炎症や免疫を抑制するから、心臓に負担がかかり、がんもできやすくなる。まったく必要のないクスリです。SODを飲んで、適度な運動です」
―――よくSODで血圧が下がったとおっしゃる方がいますが、その反面であまり下がらないという人はその人にとってちょうどいい血圧になっているということなんでしょうか?
「そうそう。そういうことです。とにかく、数値よりも自分の感覚を大事にすることです。180でも元気ならそれがベストなんです。疲れやすい、しんどいという異変に気をつけることです」
―――次に抗がん剤のクスリが5位という上位に入りましたが?
「大腸がんは、がんの中では比較的軽いんです。だから助かる人が多いから、抗がん剤もたくさんの人が使い続けているということです。助からないがんだと、抗がん剤を使ってもすぐに亡くなってしまうから、頻度は少なくなる。売り上げの上位にいるということはそういうことです。ただし、正常な細胞まで殺してしまう害がある抗がん剤に変わりはないです。がんの症状が軽いから重篤な副作用で亡くなるまではいかないというだけです」
―――6位が神経障害性疼痛に使用するクスリ。
「これは痛みを和らげるのには飲んでいいクスリの部類に入ります。ただ、胃が弱るという副作用があるからそのあたりに気をつけてください」
―――7位に胃酸過多などのクスリ。
「これも使ってもいい部類ですが、胃酸過多くらいの大した病気ではないのに常用するのはあまり勧めません」
―――そして、糖尿病のクスリが8位。
「副作用が強く出やすいクスリですね。常用するとすい臓がやられることが多い。免疫にも影響が出るから、おのずと発がんのリスクもあります。糖尿病はこれらのクスリではなく、やはりインスリンの投与で調節するほうがいいです。そして何度も言うが、食事と運動」
―――9位に再び高血圧のクスリが入りましたが?
「高血圧でどれだけクスリが処方されているかという証のようなランキングです。このクスリはまあまあいいですが、やはり血圧はクスリで下げるものじゃないということです」
―――続いて10位のリウマチのクスリ。
「これはダメです。免疫抑制剤の一種、つまり抗がん剤と同じです。リウマチというのは、確かに痛くてしんどい病気です。しかし、アトピーと一緒で命までは取らない。それなのに、命に危険のあるクスリを飲むのはいけない。確かに、飲むとラクになる。しかし、これはリウマチのクスリの中でもいちばんきつくて危険なクスリです。感染症、発がんの危険性がものすごく高いですよ」
―――そして11位の抗炎症剤テープは市販もされている一般的な湿布薬。12位は「非定型抗精神病薬」。統合失調症とは?
「これは精神疾患や認知症などに使われているが、糖尿病や高血圧などの疾患を誘発する危険があります。安易に使ってはいけないクスリです」
―――次に糖尿病の治療にも取り入れられている13位のクスリは?
「こんな高いクスリなんか飲まなくていい。高血圧なんか、ジェネリックでも効果は変わらない。そもそも高血圧でクスリはほとんど飲む必要がないんだから」
―――ところで先生、ここから糖尿病のクスリがズラリ。なんとトップ20位内に4個も入っているのです。
「どのクスリも一緒。高いだけです。中にはあまり効果のないものまであります」
―――16位の腎性貧血の薬剤とは?
「腎性貧血というのは、腎臓の機能が低下する高齢者に多い貧血の一種ですが、このクスリに関しては、僕もよく知らないです。専門の先生に聞いてみたほうがいい」
―――17位のクスリは子宮筋腫と前立腺がんとなっていますが?
「これはホルモン剤の一種です。常用すると、ドーピング。つまり、筋肉増強剤のような働きもする。しかし、症状によってはある程度の効果があります。最近、前立腺がんの検査が簡単にできるようになって、余計な患者が増えたせいで、このクスリが売れているのでしょう。歳を取れば8割くらいがなる病気で、命にあまり影響がないのに、検査で脅されて飲むんだな」
―――18位の骨粗鬆症治療薬。
「あまり効果がない。そのくせ年寄りはみんな処方されている。効果ないからやめたほうがいいですね。お金の無駄です」
―――19位のクスリは脳梗塞。
「これも3位のクスリと同様、常用しすぎると出血してしまう。必要な人もいるが、たいていは過処方だと思います」
―――そして最後のクスリ、免疫抑制剤のひとつ。
「これは免疫抑制剤といっても大して効果がない昔からあるクスリです。効かないから、医者としてもリスクが少ない。だから多用するんでしょうね。つまりは必要ないということです」
以上ですが、それにしても、驚愕の売上高の数字です。この7割以上が保険で賄われているという現実。私たちは、そのことも認識していかないといけないような気がします。
※こちらのインタビュー記事の内容は丹羽先生個人の見解であり、この記事の内容がそのすべてではありません。多くの患者様、それぞれに合わせた治療がなされています。
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