「まず、私がいいたいのは、糖尿病のような生活習慣病は、いわゆる病気ととらえてはいけないということです。これは老化なのです。例えば、風邪は病気です。風邪を引き起こすウイルスが粘膜から感染して炎症を引き起こすことで、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、咳、たん、発熱といった症状が出ます。だからウイルス感染が治れば、治る病気です。ところが、生活習慣病は、日常の生活が引き起こすもので、風邪のようにある日突然、感染で起こるものではありません。高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などの生活習慣病は、いずれも病気ではないので、症状が出たときは元に戻すのが難しい。つまり治らないのです。老化は遅らせることはできるかもしれませんが、若返ることは不可能です。老化というのは、免疫力が低下していくことです。私たちが本来持っている免疫力は加齢やストレスなどによって低下します。ということは、生活習慣病になったら、その症状とどう付き合っていくかがいちばんの問題になります」
ということは、いったんこの生活習慣病と判定されると、私たちは一生クスリと付き合っていかなければならないといいます。医療費は3割負担、後期高齢になればもっと安くなると思っていても、安くならないかもしれません。さらに入院ということになれば、医療費はどんどん上がっていきます。年金生活で使えるお金に限りがある高齢者には切実な問題です。
「もしも生活習慣病になったら、いかに医療費を節約し、症状の悪化を抑えていくかが大切になるのです」
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