スーパーやコンビニで必ず販売されている野菜ジュース。野菜が不足になりがちな現代人は、摂れない代わりに毎日野菜ジュースを飲んでいるという人は多いのではないでしょうか。
2012年の国民調査によると成人の一日の野菜類平均摂取量は286.5グラムだったのに対し、厚生労働省の「健康日本21」では、一日に野菜を350グラム(うち緑黄色野菜120グラム以上)摂ることを目標としています。しかし、毎日摂るのはなかなか難しく大変です。そこで、「一本で一日分の野菜を摂取できる」という宣伝文句の野菜ジュースがたくさん販売されています。
一言に野菜ジュースといっても様々な種類があり、「野菜汁100%」や果物が多く入った「果汁・野菜汁100%(果汁分60%)」などの野菜ミックスジュースなどがあります。柑橘類等の果汁の比率が高いほど甘く、甘味料が入ることで飲み口が一層良くなっています。野菜そのものを摂るより手軽で美味しい野菜ジュース。しかし、野菜ジュースは野菜そのものと比べ食物繊維やビタミンも少なくなっているという欠点があります。
日本で製造される野菜ジュースの原料は国産品や輸入品などさまざまです。輸入品の一例をとると、一度熱を加え、ペースト状に濃縮した原料を冷凍して国内に持ち込まれます。そして国内の工場で水を加え、元に戻されます。このように作られた野菜ジュースは「濃縮還元」といい「国内製造品」と表示することができます。
この濃縮還元はペースト状にする段階で熱が加えられるので、熱に弱いビタミンや果物の酵素などの栄養素が失われてしまいます。失われた栄養素を補うために化学合成されたビタミン剤が添加されます。あくまでも、野菜ジュースは、野菜に代わるものではなく補うものです。1日に何本、何杯となると糖分や塩分の摂り過ぎになることもあるので注意が必要です。
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