ただ、活性酸素はむちゃくちゃ強いけど、できても酵素の力であっという間に出て行く。過酸化脂質は体の中に一回できると、腎臓からおしっこになって出て行かない。いつまでも体の中にあって、組織や臓器の壁にへばりついて中にゆっくりと浸透していって、1年、2年、3年たって、組織や臓器を中からゆっくりと破壊していく。非常に強い。本当に体の中で悪さをしているのは活性酸素よりも過酸化脂質のほう。
うちへ来る患者さんも、コレステロールや中性脂肪酸が高い人が多い。お医者さんに下げないと心筋梗塞や中風になるぞと、言われてどうしましょといってくる。お米を控えろ、砂糖を控えろと言われる。
いいますよ。コレステロール、中性脂肪はいくら高くても直接、中風、心筋梗塞は起こさない。コレステロール、中性脂肪が機械で測れないくらい高くても元気なじいちゃんばあちゃんはいくらでもいる。逆に、コレステロール、中性脂肪が基準値内よりもうんと低くても、中風、心筋梗塞になる人がなんぼでもおる。
これは私の独断で言っているんじゃない。名古屋大学の過酸化脂質の研究では世界ナンバーワンと言われる八木稔先生がおっしゃっている。血液検査で過酸化脂質は測れなかったのが、この先生が独自の測定方法を編み出して、私も含め世界中の学者が彼のところにつめかけました。
その先生いわく、コレステロール、中性脂肪そのものはなんら悪さはしないと。これが活性酸素でがん化され過酸化脂質になって初めて悪さする。血液のなかでコレステロール、中性脂肪が活性酸素で酸化される。そこに過酸化脂質ができる。そして血管の壁の内壁にへばりつき、血管の壁の中にじわーっとしみこんで行く。そして1年、2年たって、血管の壁を中から破壊していく。これば頭の血管なら中風。心臓の血管なら心筋梗塞。
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