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大人のアトピーが激増
ステロイドは麻薬と同じ


またたくまに満席となり立ち見の方も多かった

  私は高知県の土佐清水に病院を持っていまして、あと全国9ヶ所の出張診療所を持っています。さたに不定期に出張して、だいたい全国で2万人のがん、膠原病、アトピー、難病の患者さんを診ています。そのなかでまずアトピーのお話をしましょう。

  私は51年前に京大を出まして、私が医者を始めた頃、アトピーは小学校に上がる前にみんな治っていた。発症する場合も決まっていて、手足の関節周り。アトピックスキンといって、乾燥肌で、鳥肌がたって、毛穴が目立ってカイカイする。それがアトピーのすべてでした。
  今から25年位前までの皮膚科の教科書には、アトピー性皮膚炎といっしょにやってくる小児喘息は小学校くらいに治ると書いてあったんです。僕が医者になって10年くらいまでは小学校5年生にもなってアトピー患者がいるなんて夢にも思わなかった。
  ところが最近は、アトピーの患者が100人いると90人は大人の全身型。子供さんの手足だけというのは100人中10人もいない。
  20数年前からバブルがはじけて土地が崩落し、銀行、金持ちがみんな倒産です。なんとか持ちこたえた企業は合併統合。人件費の節約。それで困るのは一般の庶民。最近の若いお兄ちゃん、地方に行くと手取り20万円を切る。とにかく給料は安い、就職先はない。あとはみんな派遣でしょ?退職金は出ない、ボーナスはない。保証はない。
  そうすると困るのは超重症のアトピー患者さんです。特にお客さん相手にしているサービス業。銀行の窓口、ホテルのフロント、百貨店。上司や社長が来るなと言うわけです。そんなお化けみたいな顔をしてくるなと。会社をクビになる。恋愛も結婚もできない。まともな社会生活ができない。そういう患者さん、うちにいっぱい来ます。仕事は何をしている?と聞くと、まともな会社に勤めているのは10人中2人です。
  そんなアトピー患者さんが医者から処方されて使い続けてきたのがステロイドです。
  ステロイド。これは53年前にアメリカからやってきた。軟膏もそうだけど、飲んでも抑える力が抜群。痛みや腫れ、なんでも取ってくれる。これを治る病気に使うのはいい。例えばハゼにかぶれて目に見えない場合はステロイドを使って腫れをすばやく取ってやったほうがいい。ただね、抑えているだけだから、治らない病気に使い続けるといけない。使わないと発症するからといってずっと使う。
  そうすると副作用が出てくる。アトピー、糖尿病、緑内障、白内障、リウマチに5年10年とステロイドを使い続けると骨がぼろぼろになってくる。大腿骨が腐ってくる。血管も破れてくる。こういう副作用がある。
  僕は30年も前からいっているんだが、命を取らないアトピー、リウマチ、白内障などにステロイドを使うなと。
  この話を聞いた人は、ステロイドをすぐにやめたりする。これは危険ですから勝手にやっちゃいけない。ステロイドを使い続けていた人が急にやめてごらん。いままで抑えてきたものが爆発して大変なことになる。土佐清水に1ヶ月入院したらステロイドを使わずになんとでもしてあげられる。
  しかし、もっと怖いのは禁断症状。急にやめますと麻薬と一緒。ある一定以上をずっと続けて飲んでいて急にやめると、耳鳴りがんがん、頭痛がんがん。挙句の果ては喉頭狭窄といいまして喉がキューと絞まり、気管支狭窄になって死んでしまう。ステロイドを1錠半から2錠以上を2年以上続けている人、急にやめたらいかん。1ヶ月から3ヶ月かけて少しずつやめていくことです。
  私が若い頃、近所のじいちゃんばあちゃんが島根の山奥にリウマチの名医がいるとバスをチャーターして行ってた。それで私も見に行ったら、なんのことない、みんなステロイド漬けだった。私も絶対に使わないわけではない。しかし、基本は使わない。

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