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高齢者ほど起きやすい
薬の副作用

 
  
週刊ポストは薬副作用に関して、毎号、いろいろな視点から記事を掲載しているのが興味深いところです。猛暑の厳しかった8月では「その体調不良は猛暑ではなく薬のせいだ」と題し、真夏によく感じるだるさ、食欲不振、息切れ、めまいなどが、ひょっとした薬の副作用かもしれないというのです。例として、ある60代の会社員の方の話が書かれていました。その方は初期の糖尿病だということで普段から食事に気を使い、なるべくよく歩くなどの運動もするようにしていたそうです。なのに朝起きてからボーッとして身体が何となくだるいと感じていました。それは猛暑のしだと思っていたのですが、頻繁にめまいなどが起きるので病院に行ったそうです。そうしたら低血糖の初期症状だと診断されました。放っておいて重症化すると大脳機能が低下し、痙攣、錯乱、意識を失い昏睡状態になることもあるそうです。国立国際医療研究所センター・糖尿病情報センターによると、このような低血糖症は糖尿病の薬の副作用として多く報告されている症状だといいます。
   病院から処方される薬、市販されている薬には必ず注意事項が書かれていますが、それをきちんと読んで把握する人は少ないのではないでしょうか。さらに副作用という言葉は、抗がん剤などで毛が抜ける、激しい吐き気や口内炎ができる、といった情報を何となく認知している程度。抗がん剤ならまだしも、一般に広く処方されている糖尿病や高血圧の薬の副作用が自分の身に降りかかるなんて考えもしないと思います。それもはっきりと薬のせいだと気づくことも難しいでしょう。
   記事の中で医師が言うのはまさにそこです。健康で若い人ならすぐに副作用も起きにくいかもしれませんが、問題は高齢者だと言います。それも多剤併用(一度に何種類もの薬を処方され飲んでいる)。厚生労働省によると、65歳以上の高齢者で一度に3種類以上の薬を飲んでいる人の割合は実に56.6%にも及ぶそうです。医師も、薬を体内で代謝して排出する肝臓や腎臓の機能は、歳と共に低下する、つまり高齢者ほど薬に対する副作用が出やすくなると言っています。
   1日に飲む薬の種類が増えれば増えるほどそのリスクは高いのに、高齢になればなるほど多種類の薬を飲む傾向があるとか。
   とくに高血圧、糖尿病の薬を服用している人は、夏バテの症状だと言われる、だるさや吐き気、めまい、息切れ、食欲不振といった症状が続くようなら信頼できる医師に相談したほうがいいのかもしれません。
 

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