もっと注意して身近なに変わるかも……

市販のクスリの副作用アブナイ飲み合わせ
藤田康二・東北薬科大学卒業 薬剤師:健康ナビ・2001-SUMMER(セルフケア・ニュース)から引用

病院の処方せんもいらず、手軽に買える市販薬。しかし、副作用は意外に大きいものがあります。どんなときに事故が起こるか、市販薬のマイナス面を知り、上手な飲み方を心得ましょう。クスリの良し悪しは、使い手次第なのですから。


 クスリの事故が起こる理由

  あなたは「病院薬には副作用があるけれど、お店で売っている市販薬は効き目が軽いから大丈夫」なんて誤解していませんか。そんなことはありません。簡単に手に入るため誤解されやすいようですが、市販薬でアレルギー症状や、薬疹が起こる事故は、決して少なくないのです。
  薬の事故の原因は、おおむね次の3点に集約できるといって過言ではないのでしょう。それは、@薬の過剰摂取をしたとき、A体質や症状に合わない成分を飲んだとき、Bマイナスになる薬の飲み合わせをしたとき。薬のトラブルが起こるのはだいたいこのような場合です。
  @は、ひとことで言えば薬の飲みすぎ。「薬なんてマズいものを、飲みすぎるわけがない」と思いかも知れませんが、同じ成分と知らないで口にしていたり、とりすぎたりということが、意外にあるものです。
  Aは、特定の成分と体質との相性が悪くて、副作用が起こるような場合です。後でご説明しますが、市販薬にはいろいろな成分が入っているのが普通です。そのなかには、自分の体質に合わないものが混ざっている可能性もあります。ここがほとんど単一成分の病院薬と異なるところです。また、通常なた何でもないのに、たまたま反応して、思わぬ副作用に見舞われる場合もあります。
  Bは、薬をほかの薬や食べ物と一緒にとったため、本来の効果が得られなくなった、という場合です。以上について、これから順次ご説明していきます。
  ただ、やっかいなことに、薬とはもともと副作用の可能性があるものなのです。
  市販薬をだすためには、厚生労働省の医薬品輸入製造承認基準を満たす必要があります。しかし、基準に達しているから絶対に副作用が起こらないというわけではありません。これは「基準に従わなければいけません」というでけであり、「いつ、誰が、どのように飲んでも安全」と保証しているわけではないのです。薬にはリスクがつきものということを、お忘れなく。
 

副作用の原因

@同じ成分のとりすぎがアブナイ……体質・症状との不一致
Aからだの合わない成分をとっている……同一成分の過剰摂取
Bマイナスになる飲み合せをしている……毒性をもたらす相互作用