食品を扱う時、調理する時、または食べ物を食べる時、「あれ?」と気にとめてしまうことがありませんか?
食品自体にも、調理するときにも、様々な力によっていろいろな特性を生み出します。
日常の食生活で、きっと一度は疑問に思ったことをQ&A方式にして簡単にまとめてみました。
知っていると調理に楽しみが増えるかも知れませんね。
いくつ問題が解けるか試してみてくださいね。
Q.「無洗米」ってどうして洗わなくてよいのですか?
A.洗わなくてもよいのです。
無洗米はあらかじめ洗ってあるお米のことでとがずにそのまま使うことができます。
製法は、原料の精白米を機械に入れ、水で数十秒といだ後に、一定温度で乾燥します。
ぬかが取れているので保存性がよくなり、お米をとがなくても白くふっくらと炊き上がります。
Q.電子レンジで加熱したさつまいもはなぜ甘くないのですか?
A.急速な加熱のためです。
焼いたり蒸したさつまいもは甘みが強いのに、電子レンジで加熱したものはあまり甘みが強いのに、
電子レンジで加熱したものはあまり甘くなりません。
これはさつまいもに含まれているアミラーゼというでんぷん分解酵素の性質によるものです。
アミラーゼは80℃以下でゆっくり徐々に加熱すると甘みが出る性質があります。
電子レンジでは急速に加熱が進むので、アミラーゼの働きが悪くなり甘みが引き出されないのです。
Q.じゃがいもを切ったらすぐに水にさらすのはどうしてですか?
A.酸化による変色を防ぐためです。
じゃがいもにはチロシンという物質が含まれており、空気に触れるとチロシナーゼという酵素に酸化され、
メラニンという褐色の物質に変化し、じゃがいもが茶色に変色します。
切り口を水につけておくことで空気を遮断し、またチロシナーゼを水の中に溶かすことができます。
さらにアクも一緒に抜けるので、水にさらしておきます。
Q.大豆が「畑の肉」と言われるのはなぜですか?
A.動物性食品に劣らないほどアミノ酸が多く含まれているからです。
日本人は穀物中心で動物性食品が少ない食生活をしてきました。
大豆はタンパク質、脂質ともに含有量が多いので、
動物性食品に代用する食品として「畑の肉」と呼ばれるようになりました。
Q.煮魚を作る時、煮汁を煮立たせてから魚を入れるのはどうしてですか?
A.うまみ、栄養分を閉じ込めるためです。
魚を汁の中に入れると、いまみ成分や栄養分が溶け出してしまいます。
煮汁を煮立せてから魚を入れると魚の表面がすぐに加熱して固まり、
また、短時間で済むのでうまみや栄養分が溶け出すことなく魚に閉じ込めることができます。
Q.かにやエビと茹でると赤くなるのはなぜですか?
A.タンパク質との結合が切れるからです。
かにやエビなどの甲穀類にはアスタキサンチンというカロチノイド系の色素成分が含まれています。
この色素はタンパク質と結びついている時は青黒い色をしていますが、
加熱することでその結合が切れ、さらに空気による酸化でアスタシンという赤い色に変わります。
加熱すれば自然と赤くなるので、料理をおいしく見せる上で役に立っています。
Q.かに風味かまぼこは何でできているのですか?
A.スケトウダラです。
かに風味かまぼこは1975年に発売され、今ではサラダや寿司だねとして活用されています。
かに風味かまぼこは良質なスケトウダラのすり身にでんぷんや卵白を加え弾力性を出し、
かにエキスやかにフレーバーで味付けをしたものです。
Q.霜降り肉の「霜」ってなんですか?
A.筋肉の中の脂肪です。
牛肉、馬肉、鯨肉など哺乳類の赤肉系だけにある、筋肉の中の脂肪が網目のように入込んだもののこです。
肉質が良いほど、霜降りの状態が細やかです。
やわらかく加熱しても固まりにくいので最高の部位といわれています。
Q.牛乳を温めると膜が張るのはなぜですか?
A.成分が凝固するからです。
牛乳を加熱すると表面に白い膜ができ、加熱し続ければその膜も厚くなっていきます。
この膜の正体は牛乳に含まれているタンパク質が脂質や乳糖といっしょに凝固したものです。
豆乳を加熱すると湯葉ができますが、同じ原理です。
牛乳に膜を張らせないためには、静かにゆっくり、かき混ぜながら加熱をします。
Q.甘いものを食べると空腹がおさまるのはなぜですか?
A.血糖値が上昇するかです。
空腹、満腹を感じる仕組みは、血液中の糖分(血糖値)の変化によるものです。
血糖値が高い場合には満腹、低い場合には空腹という具合です。
空腹時に食事をすると血糖値は上昇しますが、砂糖などの糖類はでんぷんの糖類よりも、
またタンパク質や糖質よりも早く体内に吸収することができるので空腹がおさまるのです。
Q.酢が体に良いと言われているのはなぜですか?
A.健康によいとされる様々な効用があるからです。
酢の働きとして唾液、胃液の分泌を高め食欲の増進、消化吸収の促進
ビタミンCの破壊を防止する働き疲労蓄積物質である乳酸を分解する働き
殺菌、防腐効果、これらの働きにより、健康面でとても大きな役割をしています。
Q.まつたけは人工栽培ができないのですか?
A.実験を重ねた結果、できないとされています。
いろいろな種類のきのこ類がありますが、人工栽培できないのはまつたけだけです。
つまりまつたけは天然ものということになります。まつたけは元々やせた土で、赤松の根に菌根をつくります。
赤松の密度が高く乾燥した場所に発生しますが、これはまつたけの菌が木材などを分解する力が失っていて、
他の木から栄養をもらわないといけないからです。
これまでも幾多と人工栽培の実験が行われてきたそうですが、
菌糸を人工培地に植えて栽培することは不可能だそうです。まつたけを増やすには菌を好む土であり、
そこに若い赤松の林があり、雑木や他のきのこがない場所が必要というわけです。
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