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NO.143

 

冬のカサカサ肌を防ぐ食生活

'11.12月号

 

 

 
寒い季節がやってくると肌が乾燥してカサカサの状態になりやすくなります。
冬は大気の水分量が最も少なく、冷たい風に肌がさらされることで皮膚の水分が蒸発しやすくなるからです。
さらに暖房での空気の乾燥からも、肌はカサカサになりやすくなります。
このときの肌は、肌の表面が乾燥したことによって角質細胞が失われた状態です。
さらにこの状態は外部からの細菌などによる対抗力も減少しているため、さらなる肌トラブルの原因になります。
 
冬の乾燥肌とは角質層の水分が少なくなり皮膚分泌が減少し、皮膚の表面が乾燥した状態のことをいい、
空気中の湿度が30%を下回ると皮膚が乾燥するといわれています。

肌の乾燥を防ぐためには角質層から水分の蒸発を防ぎ、
肌の内部からたっぷりと潤いを与えるための栄養素をしっかりと取り入れた食生活をすることが大切です。

 
 
【セラミド】

皮膚の角質層にある脂質のことです。この脂質が外部の刺激から皮膚を守り水分を保つ働きをしています。
セラミドは30代後半から減少するといわれていますので、食事でしっかりと補っていきましょう。
セラミドが多く含まれる食品 ⇒ 大豆、小麦、ほうれん草、ヨーグルト、生いもこんにゃくなど
 
【ビタミンA】
皮膚や粘膜の潤いを保ち新陳代謝を促す働きがあります。
不足すると皮膚腺の働きが衰え、皮膚の潤いがなくなります。
また表皮の角質細胞の働きも衰え、角質層が厚くなり肌がザラザラしてしまいます。
さらに細菌に対する抵抗力も低下します。ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、
植物性食品に含まれるβ‐カロチンがあります。レチノールは過剰摂取を避け、
体内で必要な分だけをビタミンAに変換するβ‐カロチンからビタミンAをしっかりと摂取しましょう。
※β‐カロチンを多く含む柑橘類を食べ過ぎて肌が黄色くなる柑皮症というのがありますが、
   この皮膚症状は原因となる食品を食べるのをやめれば自然と消えます。
レチノールが多く含まれる食品 ⇒ レバー、肝油、乳製品、卵、うなぎ、あなごなど
β-カロチンが多く含まれる食品 ⇒ 緑黄色野菜、海苔、ワカメなど
 
【ビタミンB2】
細胞の再生、成長を促進する働きがあり皮膚の新陳代謝に必要な栄養素です。
皮膚の分泌を調整し、肌をなめらかにする働きがあることから、美容のビタミンともよばれます。
まだ肌に有害な過酸化脂質を抑え、肌の粘膜を保護する働きもあります。
不足すると肌、口唇の乾燥をおこしやすくなります。
ビタミンB2が多く含まれている食品 ⇒ レバー、牛乳、緑黄色野菜、納豆、卵など
 
【ビタミンB6】
皮脂腺の働きを円滑にする働きがあります。
体をつくるタンパク質がアミノ酸に分解、再合成されるときに必要なビタミンで肌を健やかに保ちます。
ビタミンB6が多く含まれる食品 ⇒ レバー、肉、魚、卵など動物性食品
 
【ビタミンE】
脳下垂体や副腎皮質ホルモンの分泌に関係するビタミンで皮膚の全般的代謝に関与しています。
また抹消血液循環をよくするので皮膚のすみずみにまで酸素と栄養素を行き渡らせる働きがあります。
抗酸化作用があり、肌をみずみずしく保つ役割もしています。
ビタミンEが多く含まれている食品 ⇒ 胚芽、大豆、小麦、ゴマ、ナッツ類など
 
【ビタミンC】
ビタミンCそのものが肌を乾燥から守るということではありませんが、
乾燥肌を防ぐためのコラーゲン生成を促進する働きがあります。
ビタミンCが多く含まれる食品 ⇒ 新鮮な野菜や果物など

 

  

栄養士    高橋 広海             

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