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NO.142

 

調理済み加工食品を利用するにあたって

'11.11月号

 

 

 
食品の加工は、もともと食品の品質保存を目的として行われていましたが、
最近では調理の手間を省き手軽に食べられるための有効利用や、
さらに安全を求めるための調理済み加工食品があります。
今では食品の加工技術が急速に進歩し、多種多様な調理済み加工食品があり、
味も風味もよいものが多く販売されています。
しかし、食品を加工、処理する過程での栄養素の低下や食品の品質の低下が考えられ、
その分を調味料や食品添加物で補い保持しています。
ですから調理済み加工食品の利用頻度が多いとエネルギーや脂肪、
食塩の過剰摂取につながるという問題点もあります。
加工食品に使用されている指定食品添加物の安全性は確保されているといわれています。
しかし好んで多くの食品添加物を摂取する必要はありません。
普段の食生活において上手に利用していきたものです。

 
 
調理済み加工食品の種類

調理済み加工食品は大きく分けると、調理済み冷凍食品、レトルト食品、調理済み缶詰食品に分けられます。

 
[調理済み冷凍食品]
調理加工した食品を包装容器に入れて冷凍させたものです。
マイナス18℃以下の保存なら一年間は品質が保持されるよう作られています。
しかし保存の仕方が適切でないと品質が劣化するので注意しましょう。
冷凍庫の状態によっては適切でない場合も少なくはありません。
また購入するときは冷凍食品売り場のショーケースがきちんと管理されていて、
なおかつ商品の回転が早いお店で選ぶようにしましょう。
 
[レトルト食品]
パウチという特殊な包装機材に袋に調理済みの食品を入れ密封し、加熱殺菌釜で殺菌を行った食品のことです。
空気や水、光線などを遮断し120〜130℃の高熱で加熱、加圧殺菌処理がしてあるので、
品物にもよりますがだいたい常温で2年間保存ができ、熱湯やレンジで温めるだけですぐに食べられます。
 
[調理済み缶詰食品]
下処理した食材と調味料を缶に詰め、脱気や密封をして殺菌加熱したものです。
缶詰は取扱いや保存方法が簡単で安心できるものですが、缶詰にも賞味期限があります。
また冷凍や缶のまま直火にかけることは禁物です。使い残しをすることも避けましょう。
もし残ってしまったら必ず別の容器に移し冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べましょう。
※食材と調味液がなじむのは製造後約半年くらいと言われており、その頃が食べ頃と言われています。

 
 
調理済み加工食品の表示について
一般に販売されている加工食品にうち容器(パック、缶)や袋で包装されたものは
●名称
●原材料名(食品添加物の表示、アレルギー物質を含む食品の表示など)
●内容量
●期限表示
   ※賞味期限・・・期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日
                        (ただし期限を超えた場合でも品質が保持されていることがある)
                        缶詰やスナック菓子など品質が比較的長く保持できるものに表示
   ※消費期限・・・保存方法に記載されている方法で保持しても衛生上問題ないとされる
                        年月日品質の劣化が早い食品に表示だれており、この期限を過ぎると
                        衛生上の危害が生じる可能性が高くなる
    (注)賞味期限、消費期限ともに開封前、記載されている保存方法での保存状態、
            開封後や決められた保存方法をしていない場合は劣化が早くなる。
●保存方法
●製造者・販売者の表示が法律で定められています。さらに輸入品には「原産国名」や「輸入車」の表示や、
    一部の加工食品に対しては「原料原産地名」の表示があります。
    今はスーパーの60%以上が加工食品と言われている時代です。
    表示を確かめ、安全に有効に利用していきましょう。
 

 

  

栄養士    高橋 広海             

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