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NO.140

 

体力=筋力をつけよう!

'11. 9月号

 

 

 
体力向上=筋力向上=筋肉が強くしなやかに
体力の基本であり体力を維持するのは、ずばり体の筋力を向上させることです。
体力には「行動体力」と「防衛体力」という二種類に分類されます。
行動体力とは、「どれくらい体を動かして作業できるか」ということで、
これは筋力、持久力、敏捷性、柔軟性、平衡感覚などの身体的な要素のことです。
(意欲や判断力などの精神的な要素も含まれています。)
防衛体力とは、「どれくらい無理をしても病気にならないか」ということで、
免疫力や抵抗力、気温や環境による適正能力のことです。

 
 
加齢に伴う筋力の低下
人は中年以降になると急激に体力の衰えを感じることも少なくありませんが、
これは筋力が低下しているからです。
筋力が低下すると行動体力、防衛体力がともに低下し病気のリスクや転倒や骨折などの原因にもなります。
肩こりや腰痛、ひざ痛、腱鞘炎なども筋力の低下によって引き起こされます。
また、日本では65歳以上の人口が約3000万人といわれる高齢化社会でもあり、
要介護の状態を防ぐためにも筋力の低下を予防または治療することが大きな課題となっているようです。

 
 
筋肉の成分
筋肉は筋繊維細胞の集まりでできていて、これは生涯増減することはありません。
また細胞の系列がちがうため筋肉が脂肪に変わることもありません。
筋肉を作り出すためには、まず元々ある筋肉組織が破壊されます。
そしてその破壊された部分が栄養補給と休養によって再生されていき、
これを繰り返すことで筋肉が強くなっていきます。
筋肉の主成分がタンパク質です。タンパク質を体内に取り込んで筋肉が新たに作られることを同化作用といい、
逆に筋肉のタンパク質を分解してエネルギーに変換することを異化作用といいます。
そして、筋力を向上させるたには異化作用で失うタンパク質の量よりも、
同化作用でタンパク質から筋肉が作られる量が多いということが必要なのです。
タンパク質は常に分解と合成を繰り返すので、また、一回で食べられる量が限られるため、
毎食欠かさずタンパク質の豊富なおかずを食べることが大切です。
またひとつの食品からではなく、肉、魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質と、
大豆製品などの植物性タンパク質をバランスよく食べましょう。

 
 
ダイエットと筋肉
ダイエットで過度の食事制限をしている人は筋力が落ちてきます。
これは悪循環であり、逆に痩せにくい体になってしまいます。
ダイエットをする上で一番重要なことは「基礎代謝をあげてエネルギー消費をしやすい体質にする」ことです。
そして、体内でエネルギー消費をするために筋力が必要です。
筋力を増やすことで基礎代謝が高まり脂肪を燃焼しやすくさせ、効果的なダイエットができます。

 
 
筋力向上のための運動
●個人の体力や健康水準に適した運動をすること
●安全で無理のない範囲の運動をすること
●有酸素運動をすること
●習慣化や日常化につながるよう、毎日続けられる運動をすること
●楽しんで運動をすること
 
日常生活でエネルギーを消費し、筋力をつけましょう。
[例]
掃除機をかける[25kcal]        ⇒ 雑巾がけをする[40kcal]
食洗機をかける[ 5kcal]         ⇒ 食器を手洗いする[24kcal]
駅まで歩く[34kcal]               ⇒ 駅まで早歩きをする[92kcal]
布団乾燥機をかける[ 5kcal]   ⇒ 布団を干す[61kcal]
車で買い物をする[14kcal]      ⇒ 自転車で買い物をする[33kcal]
電車で座る[62kcal]              ⇒ 電車で立つ[93kcal]
エスカレーターで移動する[15kcal]  ⇒ 階段で移動する[40kcal]
 

 

  

栄養士    高橋 広海             

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