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NO.139

 

毒素を体に溜めこないように

'11. 8月号

 

 
 

私たちは日常生活を送っている中で、体内に知らず知らずに毒素(有害物質)や老廃物を溜めてしまっています。
吸い込む空気や飲む水、野菜や果物や家畜にも有害物質を含んだものがあり、
また食物などから有害物質を取り込む以外にも、特にストレスを通じて体内の毒性がある代謝産物を生成しており、
ストレス過多で新陳代謝が衰えていることにより体内で有害物質が溜まりやすくなります。
このような毒素には、肺や腸から新たな毒素を吸収する以上の効率で血液中や組織内に蓄積された
有害物質を体外に排出しなければいけません。
なざなら、日常の生活で蓄積された有害物質が栄養素の吸収を妨げることや、
さまざまな代謝機能や生理機能に悪影響を及ぼすからです。
 
毒素・・・水銀などの有害金属
          留農薬
          品添加物などの有害化学物質

体内で毒素を排出するのはまず「排泄」です。
本来、人には毒素を排出する働きがあります。
●便からの排出・・・75%
●尿からの排出・・・20%
●汗・・・・・・・・・・・・・  3%
●毛髪、爪・・・・・・・  2%

 
 
「便」
毒素を排出させるには、まず便をスムーズに出すということが大切です。
しかしストレスや体調によって便秘だと、便が排泄されずに体内に溜まっています。
そうすると有害物質の排出が防げられるだけでなく、腸内に悪玉菌が増殖しやすくなり、
発ガン性物質などの新たな毒素が生成されてしまいます。
さらにこの新たな毒素が腸壁や腸管から血液に吸収され、全身の細胞や器官に悪影響を及ぼし、
頭痛や肩こり、疲労、免疫力の低下などを引き起こすといわれています。

 
「尿」
適量の水分と、利尿作用を高める食品をとるなどして尿もスムーズに出すことが大切です。
尿からは有害金属のほか、むくみの原因となる塩分や、
過剰摂取され体内で必要ではない水溶性ビタミンなどが排出されます。
また、タンパク質代謝の際に出る老廃物や食品添加物なども尿とともに排出されます。

 
「汗」
運動や入浴で発汗作用を高めることが大切です。
汗や皮脂には尿で排出しきれない有害物質をとかし込んで体外に排出する働きがあります。
特に皮脂から出る脂は体内に蓄積された有害物質を取り込んで排出します。

 
 
[ 4つのタイプの毒だし食材 ]
◆毒素を捕まえて出すもの
ねぎ、ニラ、にんにく、玉ねぎなどの臭い成分として含まれているイオン化合物には
水銀や鉛のような有害金属だけを選んで結合する性質があります。
※体に必要な鉄分や亜鉛などは体内に溜めておける。
 
◆解毒作用を強化するもの
ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、大根などのアブラナ科の野菜にはイソチオシアネートという成分が含まれており、
この成分が肝臓における解毒作用を高めます。
また、ニラ、にんにく、ねぎ、玉ねぎ、海藻などに含まれるセレニウムには、有害物質を無害化する働きがあります。
 
◆毒素をくっつけて出すもの
リンゴ、ごぼう、きのこ類、海藻類など含まれいる食物繊維が、腸内で有害物質を吸着し便と一緒に排泄します。
また、食物繊維は便のかさを増やし便秘を解消するとともに、善玉菌が育ちやすい腸内環境を作り出します。
腸内がきれいになれば新たな毒素の発生を防ぎ、血液からの再吸収を防ぐこともできます。
 
◆活性酸素を抑えるもの
食品添加物などによって過剰になった活性酸素は細胞組織を傷つけ、
体内に毒素を溜めこみやすい状態を作り出してしまいます。
活性酸素を防ぐ抗酸化作用食品をとり、体の解毒力を高めることが大切です。

 
 
[ 食事で気をつけたいこと ]
★よく噛んで食べましょう。
よく噛んで唾液と中和されることがあります。
 
★加工食品は、なるべく食品添加物の少ないものを選びましょう。
 
★野菜はできるだけ無農薬や減農薬のものを選びましょう。
 
★野菜、肉、魚は調理前にさっと湯通しすると有害物質を取り除くことができます。
 

 

  

栄養士    高橋 広海             

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