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NO.138

 

食事療法のポイント

'11. 7月号

 

 
 

糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の大きな要因は
不規則な食生活からくる栄養の偏りや不足が大元になっており、
食事によって生活習慣病の発症や進行は大きく左右します。
「食事療法」というと、とても難しくて面倒だ、負担がかかる・・・などと思われてる方も少なくありませんが、
まず大事なことは、多様化する食生活の中で栄養バランスを自己コントロールしていくことがあり、
栄養バランスのとれた食事を適量、規則正しく食べることです。
食事療法とは、さまざまな疾病の「予防食」であり「治療食」なのです。
また、食事療法と聞いて、控えなくてはならない食品も多いと感じる方もいますが、
食べられる食品や献立は数多くありますし、むしろわずかな例外を除き、
食べてはいけない食品というものは基本的にはありません。
また、これを食べたら治るというものもありません。
過食を避けること、偏食をしないこと、これがとても大切です。
食事療法をしていると、身体の調子はよくなっていきます。免疫力をつくり、活性化させる働きがあるからです。

 
 
食事療法の目的と意義
食べる量
摂取エネルギーの調整で、つまり、控えめに食べるのか、
普通に食べるのか、あるいは多めに食べるのかということです。
摂取してよいエネルギー量は、年齢、性別、身長、体重、運動量や病気の種類や程度により異なります。
病気になるとエネルギー代謝が変化し、さらに食欲も変化します。
病気の種類によって食欲を増やし食べるための工夫をする場合と、食欲を抑え食べない工夫をする場合があります。
まずは自分の摂取エネルギー量を把握することが大切です。

 
 
調理法、献立作成の仕方
摂取エネルギーを調整し、自分の摂取するべき栄養量を把握しておけば、
食品を選びやすく献立も立てやすくなります。
ここで大切なのは、食事療法は長い目でみるということです。
食事療法をするときに、いきなり「塩分をとらない」「肉を食べない」では、長続きはしなくなる傾向があります。
濃い味付けが好きな人は、だんだんと薄味に慣れるようにします。
そのうちに濃い味付けのものを食べることも減ってきます。
野菜や果物そのものの味や歯ごたえを感じながら食事をすると、塩分は控えられてきます。
さらに、食べるのに時間のかかる献立にしてみましょう。
食べ物が消化され満腹感を得るのに、約30分かかるといわれています。
早食いの人が太りやすいのは満腹感を得る前に食べ過ぎてしまい、過度のエネルギーを摂取してしまうからです。
ゆっくり食事をするというのが大前提ですが、例えば、魚は尾頭付きのものにするなどにしましょう。
それと、食事はまず汁物から食べましょう。水分で胃が満たされて満腹感を得やすくなります。

 
 
栄養バランス
主食、主菜、副菜をそろえるよう心がけることが大切です。栄養バランスがぐっとよくなります。
 
主食(エネルギーとなるもの)
ご飯、パン、麺類など。
炭水化物を多く含む食品
主菜(体をつくるもの)
魚、脂肪の少ない肉、卵、豆腐など。
良質なタンパク質を含む食品。
副菜(体の調子を整えるもの)
野菜、果物など。
ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む食品。

 
 
食事の環境
同じ食事でもこのようなことを意識して食べてみましょう。
 

●食事の時刻・・・いつ食べるのか
●食事の時間・・・どのくらいかけて食べるのか
●食事の回数・・・何回で食べるのか
●食事の配分・・・1日にどのように配分するのか
●食事の環境・・・どのような雰囲気で食べるのか

 

  

栄養士    高橋 広海             

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