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NO.135

 

長い目でみるダイエット

'11. 4月号

 

 
 

気温が暖かくなってくると、「夏までに痩せる」という声を聞きます。
夏は薄着になるので、体重や体型を気にしている方はそう思うのでしょう。
また、太っていると体がだるく暑さを乗り切れない、汗をかきやすいなどもあるようです。
しかし、そういう方は毎年「夏までには痩せる」と同じことを言っていませんか?
これが、数ヶ月かけて食事、運動の方法で5キロ落とすのなら体に負担はかからず健康的だと言えます。
ですが、短期間で体重を落とすとなれば、欠食、さらには断食までして無理なダイエットをする方もいるようです。
短期間で大変な思いをして落とした体重がリバウンドで秋にはすっかり元通り、
いやそれ以上…ということも少なくありません。
ダイエットとは、「体重を減らすことだけではなく、減らした体重を維持する」ということを大前提とし、
短期ではなく長期的な目でみることが必要です
 

長期的にみたダイエットのメリット

毎日続けることによってリバウンドしにくい体をつくることができます!
○急激な体重増加の可能性が低くなります!


 
[なぜ短期はダメ?]
ダイエットを始めてから結果を求め期間を早く設定しすぎてしまうと結果が伴わず、
続かなくなってしまうことだ多いのです。また、短期的に成果を出そうと思うと、
食事制限や運動量などで体に負担のかかるダイエット法になる傾向があります。
さらに急激なダイエットで体重を落とすと、不健康な見た目になってしまうことが少なくありません。
特に女性の場合、外側の皮膚や内側の内臓の老化が進み、
痩せたというよりやつれた印象になってしまうことがあります。
 
[基礎代謝力がカギ]
急激なダイエットは体重だけではなく筋肉や骨量も減らしています。
またリバウンドで体重が戻っても筋肉、骨量は戻りにくいのです。
例えば、急激に体重を5s落ちたとして、その内訳が例えば体脂肪3s、筋肉1.5s、骨量0.5sだとします。
しかし、リバウンドして体重が戻ったとき、体脂肪5sとして戻ります。
人には基礎代謝という、生命活動をするために常に使われているエネルギーがあります。
基礎代謝のうち、筋肉が最も多くのエネルギーを消費しますが、
リバウンドでついた体脂肪を落とすのに必要な筋肉は
減ってしまっているわけですからますます体脂肪は落ちにくくなります。
さらに一度脂肪が減った脂肪細胞は抵抗力を強めているので再び脂肪を落とそうと思っても落ちにくくなっています。
つまりダイエットとは「基礎代謝力をアップさせること」が鍵なのです。
 
[停滞期いついて]
ダイエットを始めたら、最初の1〜2ヶ月は体重が順調に落ちていきます。
しかしその後「停滞期」というものがあります。
順調に減っていった体重が減らなくなることや、逆に体重が増加してしまう現象のことです。
しかしここでダイエットを諦めないでください。人には体の内部環境を安定させようとする物質があります。
つまり変化した食事内容によって体のエネルギー消費を抑えることで対応しようとする作用がおこるわけです。
これは長い目で見ればダイエットが成功しているということなのです。
通常この停滞期は1ヶ月ほどで過ぎると言われています。
この停滞期の時期は、ビタミン、ミネラルなど必要栄養素をしっかりと摂っていきましょう。
 
[食事メニューや食事法で気をつけたいこと]
食事のカロリーを意識すること
レコーディングダイエット、つまり食事内容を日記のように書き留めておくと食生活の意識が高まり、
改善点もわかりやすくなります。
※あまり神経質にやらないことが長続きのポイントのようです。
 
三食の食事を大切に
食事は、朝・昼・夕飯をきちんと食べることがとても重要です。
欠食は太りやすい体質をつくってしまいます。夕食はできれば早めに食べるとよいでしょう。
食後数時間は余分なエネルギーが体脂肪となって体内に残っています。食べてすぐに眠ると太るのはそのせいです。
 
基礎代謝を意識
基礎代謝の低い体は脂肪を溜めこみやすいので、
適度な運動で筋肉量を増やし基礎代謝力をアップさせることが必要です。
そして温かい食事をすることです。体を温めると基礎代謝力が上がります。

 
〜ダイエットは根性だけでは長続きはしません〜
無理のない食事制限と適度な運動量、さらにストレスをなるべく溜めこまないなど、
体に見合ったダイエット法を試すことが必要です。

 
 

  

栄養士    高橋 広海             

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