近年、未病という言葉をテレビや新聞でよく見るようになりました。
症状がなくても体のバランスが崩れている半病人、
つまり半健康であっても病気が進行しつつある状態であることを未病といい、
専門組織の定義でいうと、「自覚症状はないが検査で異常がある状態」および
「自覚症状はあるが検査で異常がない状態」の二つをあわせて未病とされるそうです。
つまり未病とは病気の状態に近づいてる過程である状態になるわけです。
未病をそのまま放っておけばいずれ病気になってしまいます。
ではなぜ最近になって未病という言葉をよく耳にするようにったのかというと、
高脂血症、高血圧、肥満(メタボリックシンドローム)、脂肪肝など自覚症状がないことも多い疾病が、
日本人の全死因の約6割を占めるとされる生活習慣病「癌・心臓病・脳卒中」につながる、
まさに未病そのものだからです。
未病は生活習慣病を引き起こす要因になり、つまり生活習慣病予備軍になるといえます。
未病のチェックリスト
未病のチェックリストとして、このようなものが提唱されています。
●朝から疲れやすく、出勤途中なのによく眠る
●年中、風邪気味である
●食が細く、食後に膨満感がある
●寝つきが悪い、眠りが浅い
●夜、手足がほてる
●顔色がドス黒く、つやがない
●現在病気はないが、生まれつき腺病者である
●偏食である
生活習慣病
生活習慣病になる原因は、この5つの要素が大きいとされています。
○食生活の乱れ
○運動不足と肥満
○過度の飲酒
○喫煙 ○ストレス
また、加齢や遺伝的な要素もあります。
この中でも食生活の乱れが最も大きな要因とされ、
特に高脂血症、高血圧、肥満、糖尿病、大腸ガン、痛風、骨粗鬆症などが挙げられます。
生活習慣病が恐ろしいのは、その多くが本人の自覚症状もないままに進行していくこと、
また1つでなく2つ、3つと病気が重複していくことです
例えば高脂血症は、いつの間にか血液がドロドロになり動脈硬化が進み、
心筋梗塞や脳梗塞の引き起こす原因になります。
「日本人の30〜60代の男性の3人に1人が肥満である」というデータがありますが、
働き盛りの男性が多く、生活習慣病の予備軍であると考えられています。
食事の時間が不規則である、バランスがとれていない、栄養過多、栄養不足などが多くみられ、
また、食と健康そのものに関しても意識が高くない方も多くみられるようです。
未病を治す
健康であろうと病気であろうと、つねに自らの生活習慣に気を配ること、食生活のバランスを保つことです。
厚生労働省では、病気になってから治療するのではなく、
一次予防の観点から健康を維持するよう国民に働きかけています。
人はある日突然に生活習慣病になるのではなく、
日々の生活習慣、食生活の乱れによって蓄積されていくものです。
言い換えれば生活習慣、食生活を見直し改善することが一番予防になるわけです。
予防のために食事
★バランスのとれた食事
★食物繊維は多めに摂取
★多くの野菜を食べる
★肉食中心にはならない
★薄味にする
★お酒はほどほどに
★甘いものを控える
※バランスのとれた食生活とは、「6つの基礎食品群」からまんべんなく摂取することです。
この中の各食品群から、毎日必ず1つは選ぶようにします。
1日に30品目摂取すれば、バランスがよいといえます。
1日に30品目摂取が難しくても、せめて食事は主食+主菜+副菜の3皿を心がけるようにすると、
栄養バランスはよくなるといえます。
6つの基礎食品群
第一群 (主なたんぱく質供給源)
魚、肉、卵、大豆、大豆製品など
第二群 (主なカルシウム供給源)
牛乳、乳製品、海藻、小魚など
第三群 (主なカロチン供給源)
緑黄色野菜など
第四群 (主なビタミンC供給源)
淡色野菜、果物など
第五群 (炭水化物)
米、パン、めん、いも、砂糖など
第六群 (脂肪)
油脂類、脂肪の多い食品など
|