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NO.131

 

タバコは『百害あって一利なし』

'10.11月号

 

 
 

今年10月にタバコが大幅に値上がりをしました。
それに伴い喫煙習慣があったけど禁煙するという人が増加しました。
しかし喫煙は慢性の習慣であるので、なかなか禁煙できないという人も少なくないようです。
タバコは『百害あって一利なし』と昔も今もいわれ続けています。
それは、タバコに含まれるニコチンやタール、ヤニの成分などが体に様々な障害を引き起こす要因となるからです。
タバコがもたらす健康状況をまとめてみました。

 
 
タバコを吸うとやせるって本当?
 
タバコを吸うと食欲が減退するといわれています。
またニコチンには物質代謝を亢進させる作用があるため、体内で栄養素が代謝されるように感じるのです。
しかし、これはいわば栄養素の無駄遣いで、正常に使われてはいないのです。
体にとって必要な栄養素の欠乏ともいえます。

 
 
タバコをやめて太るって本当?
 
これは、タバコをやめると胃腸の働きが活発になり消化吸収が促進することにより
食欲が増進され食が進むことからいわれるようですが、バランスの良い食生活を送っていれば特に問題ありません。
しかし、タバコを吸えないことで口さみしくなり、
ちょこちょこ何かをつまんだり間食が多くなり太るということはあります。

 
 
動脈硬化を防ぐ!
 
動脈硬化とは動脈の弾力性や透明度が失われ動脈壁が硬くなりもろくなることです。
血流が悪くなり内腔にゴミがたまるような状態です。この症状は緩慢に起こるといわれています。
動脈硬化を発症、促進させる原因の一つがタバコです。
タバコのニコチンが血液中に吸収されると心臓に達し冠動脈の細い枝の内壁にへばりついて
動脈硬化を起こしやすいといわれています。

 
 
タバコは発ガン物質!
 
肺ガンの危険要因には都市化、工業化による環境汚染が考えられていますが、
タバコは肺ガンの要因では最も問題であるとされています。タバコの煙には発ガン性物質が多種含まれています。
このため喫煙をしていれば、口やのど、肺などの呼吸器系のガンの原因になります。
調査によるとガンに対する寄与因子は、35%が食品(食生活)、30%がタバコ、10%が感染、
残りが性生活、職業、汚染だとされています。
つまり、禁煙と食生活によりガンの原因の約3分の2が除去できるということです。

 
 
お酒とタバコ
 
アルコールを飲みながらの喫煙は体に負担をかけます。
タバコに含まれる発ガン物質がアルコールに溶け、体内に浸透します。
さらにアルコールにはタバコの発ガン物質自体の働きを強めてしまう作用もあります。

 
 
酸化予防!
 
仮に喫煙を毎日行っていたとしても抗酸化作用のある栄養素を含まれる食品を摂っていると
ガン予防やガンによる死亡率が大きく低下することがわかっています。
タバコは肌や血液、骨までも酸化させ様々な症状を引き起こし、老化現象の進行が早くなります。
抗酸化作用のある栄養素は緑黄色野菜に多く含まれています。
ビタミンA(カロチン)をはじめ、ビタミンCやビタミンEが抗酸化ビタミンと呼ばれています。
タバコを吸う人は抗酸化作用のある食品を吸わない人よりも摂取量は多くなければなりません。
体のサビは様々な症状を引き起こします。

 
 
煙を吸わせる人は・・・
 
タバコを吸う人の周りには、その人が吐いた煙と、タバコから立ちの持っている煙があります。
タバコを吸わない人でも、喫煙者の側にいるとこれらの煙を吸い込み体内に入ってしまいます。
タバコの煙は、タバコを吸う人がいったん吸い込んで吐き出す煙より、
実はタバコの点火部分から立ちのぼる煙が気管支や肺をより刺激し、発ガン物質も含んでいます。
家庭や職場など周りに人がいる時に喫煙するということは、他の人を危険にさらすことになるのです。

 
 
今はいろいろな禁煙グッズが売り出されています。
しかし、タバコ自体で『健康に良いタバコ』というものはありません。
長い年月にわたり喫煙習慣のある方は、禁煙は本当に大変ですし、
「今さら禁煙しても・・・」と思う方もいるかも知れません。
しかし、タバコを吸い続けた人が禁煙しても4〜5年たつと肺ガンで死亡する確率が
タバコを吸わない人とほぼ同じになるということもわかっています。禁煙に手遅れはありません。

 
 
 

 

  

栄養士    高橋 広海             

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