ホーム > あしたも元気 > 隠れ肥満が増えています

 
 

NO.130

 

隠れ肥満が増えています

'10.10月号

 

 
 

肥満というのは体ではなく体脂肪率で決まるものです。
ですから体重が多くても、筋肉が多く体脂肪率の少ない方は肥満とは言えません。
しかし、一見太っているわけではなく、体重が標準であっても、
「隠れ肥満」と呼ばれる肥満が最近では増えています。
肥満には洋ナシ型とリンゴ型があるというのは知られています。
 
洋ナシ型 お腹の皮下に脂肪が蓄積されるタイプ ⇒ 皮下脂肪型肥満
リンゴ型  内臓の周りに脂肪が蓄積されるタイプ ⇒ 内臓脂肪型肥満

 
 
一般的な内臓脂肪型肥満のチェック
 
●BMI値が25以上
●立った姿勢で息を吐いたときのおへそ周辺のサイズが男性85センチ以上、女性90センチ以上

 
隠れ肥満とは主にリンゴ型の肥満の方に見られる傾向ですが、
体重が標準であったりBMI値が25未満のこともあるので、本人に肥満の自覚がないというケースもあります。
隠れ肥満は、特に運動習慣のない人は、筋肉量が少なく基礎代謝も少ないので、
よって脂肪の燃焼も少なくなり、隠れ肥満になりやすいのです。
筋肉量が減ると全体的にしまりのないたるんだ体型になってしまい、
特にお腹まわり、ヒップ、二の腕などが目立つようになります。
 
隠れ肥満は見た目には太ってないために肥満の進行が見えず、
自分の脂肪率の高さに気がつかない間にいろりろな疾病を招く危険性があります。
内臓脂肪型肥満は生活習慣病を引き起こす原因になり、
肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病から心臓疾患を引き起こす要因にもなります。
ダイエットで体重を減らすだけでは意味がありません。健康的に肥満解消するのなら、
体脂肪率を落とすことが必要です。
食事制限だけのダイエット法をしていると、筋肉や骨量が減少し体脂肪率が増えることも少なくありません。
ですから必ず体を動かして、筋肉を落とさず体脂肪を減少させましょう。

 
 
隠れ肥満の傾向のある方
 
●昔は痩せていてが、今は標準体重である。
●体重の変化はないが、体型が崩れてきている。
●体重の変化はないが、ウエストがきつい、下っ腹が出ている。
●そんなに食べていないのに太る。
●リバウンドの経験がある。
●手足が冷える。
●汗をかきにくい。
●運動をしていない。徒歩や自転車ではなく車を使う。階段を使わないなども含む。
●疲れやすくなった。体力がない。
●野菜をあまり食べない。
●食物繊維を含む食品(野菜、きのこ類、海草など)をあまり食べていない。
●揚げ物を好む。
●アルコールを好む。
●シュース、炭酸飲料などを好む。
●朝食を抜く、欠食をする。
●間食が多い。
●夜食が多い。
●お腹いっぱい食べる。
●満腹でも好物なら食べられる。
※当てはまる項目の多い方は気を付けましょう。
 
鏡に横向きに立ってみて、胸の下からお腹の角度を見てみたときに、
おへその上が出ているようなら隠れ肥満の疑いがあると言われています。

 
 
隠れ肥満を解消するために気をつけること
 
まず普段の食生活を見直しましょう。特に難しいことはなく、三食バランスよく食べること、
運動をすることで隠れ肥満は解消、予防することができます。
 
☆朝食を抜かないこと
☆食べ過ぎ飲みすぎに気をつける
☆有酸素運動をしよう

※厚生労働省による「健康日本21」が揚げる一日の目標歩数
    男性9200歩以上
    女性8300歩以上
 
体内に過剰なエネルギーが入らなければ体重はそんなに減らないしても体脂肪率は減少します。
 
 
 

  

栄養士    高橋 広海             

前ページ < top > 次のページ