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NO.129

 

脳にエネルギーを!

'10. 9月号

 

 
 
◆脳のエネルギー源とは
人の脳は知能や記憶、神経系に関わる器官です。
人の脳とその他の身体器官で大きく違うこと、それがエネルギー源です。
人の身体は、炭水化物・たんぱく質・脂質の3大栄養素のどれからでもエネルギー源とすることができますが、
脳は血液中の糖分だけしかエネルギー源になりません。
そして脳は大量のエネルギーを消費します。起きているときも寝ているときも、エネルギーを消費しています。
脳の重さは体重の約2%ですが、約20%ものエネルギーを使うと言われています。つまり、
一日に2000キロカロリーの人は、約400キロカロリーのエネルギーを脳で使うということです。
脳はブドウ糖を蓄えておくことができないので、血液中のブドウ糖が減少してくると、
肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンがブドウ糖になり、補われます。
しかし肝臓に蓄えられているグリコーゲンには限度があります。
ですから食事からブドウ糖を摂取することが第一なのです。
糖分が不足すると脳はエネルギー不足になり、十分に働くことはできません。

 
 
◆朝は脳がエネルギー不足
特に朝は血糖が足りない状態になっています。
脳は、眠っている間も起きている時間と同じくらいのブドウ糖を消費しているため、
前夜の食事は睡眠中にほとんど消費され、目が覚めたときにはエネルギー不足となっています。
そこで朝食で脳のエネルギー源であるブドウ糖を補給しなければなりません。
朝食を抜く人が増えてきていますが、低血糖の状態にある朝に食事をしないことで、
脳が十分に働かず、集中力に欠ける、飽きっぽくなる、仕事や勉強が身に入らない、ということも少なくありません。
朝に食欲がないという方も少しでも食べていきましょう。

 
 
◆脳に必要な栄養素
脳のエネルギー源となるブドウ糖、つまり糖質である炭水化物を摂取しなければなりません。
最近炭水化物抜きダイエットなどという言葉をよく耳にしますが、これでは脳にエネルギーが届きません。
それどころか「太りやすい体質」「メタボリックシンドローム」を生み出す要因になります。
(脳に必要なエネルギー不足→筋肉中に蓄えられているグリコーゲンで補う→
筋肉が衰えやせていく→やせた筋肉を基礎代謝量が低下する→エネルギーを消費しにくい体質になる)

 
 
■糖質
脳にエネルギー源となるブドウ糖。
含まれている食品⇒ご飯、パン、めん類、いも類、豆類など
 
※精製された砂糖は、ブドウ糖と果糖に分解されて急激に血糖値を上げたりインスリン分泌を増やしますので、
たくさん摂ることは避けましょう。一日三食の食事、デンプンからのブドウ糖摂取が望ましいと言えます。
 
■ビタミンB1
ブドウ糖を代謝するときに必要なビタミンで、脳のエネルギー補給に役立つ。
含まれている食品⇒豚肉、大豆、レバー、胚芽米、落花生、ゴマ、豆腐、ほうれん草など
 
■ビタミンB6
神経伝達物質を合成する働きを持つビタミン。
含まれている食品⇒小麦胚芽、レバー、酵母、まぐろ、にんにくなど。
 
■抗酸化食品
人の体の中で一番活動量の多い脳はたくさんのエネルギーを消費するとともに
老化を促進する「活性酸素」を発生させています。活性酸素から酸化を防ぐものが、抗酸化食品です。

 
 
 

  

栄養士    高橋 広海             

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