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NO.128

 

日本人の食事摂取基準について

'10. 8月号

 

 
 
厚生労働省により、「日本人の食事摂取基準」2010年度版が発表されました。
これは平成22年度から平成26年度まで5年間の使用期限となります。
「日本人の食事摂取基準」(旧:栄養所要量)は厚生労働省にて1970年より5年ごとに改定されています。
当初の目的は「栄養欠乏症の予防」に重点が置かれていましたが、
2000年度から「過剰摂取への対応もできる限り考慮し、策定」していく旨が示されました。

 
 
「日本の食事摂取基準」とは?
●健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、
    エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示すものである。
 
●保健所、保健センター、民間健康増進施等において、生活習慣病予防のために実施される栄養指導、
    学校や事業所等の給食管理にあたって、最も基礎となる科学的データである。

 
 
見直しポイント
○エネルギー
ライフステージごとに「推定エネルギー量」が変更になっています。
小児、若年女性は減少し、高齢者は増加になっています。
若年女性(18〜29歳)では身体活動レベルU(普通レベル)では2050kcal→1950kcalに下がります。
70歳以上の健康な高齢者は、
これまで想定していた身体活動レベルより実測値の方が高いことがわかってきたため、引き上げられました。
 
○ナトリウム
現在の日本人の食塩摂取状況をふまえて「目標量」が変更になっています。
食塩の取り過ぎから、高血圧や脳卒中、ガンなどの生活習慣病のリスクは高まっているからです。
男性10.0g未満→9.0g未満、女性8.0g未満→7.5g未満と男性とも減少しています。
 
○カルシウム
「目安量」「目標量」から「推奨量」を目指すようになりました。
年齢層ごとに算定され、600g→660g(30〜49歳女性)、666g(50〜69歳女性)に増加されました。
 
○葉酸
妊娠期には440μg→480μg(0.48r)に増加されました。
葉酸はほうれん草、モロヘイヤ、アスパラなどの野菜やわかめや海苔に含まれています。
 
○ヨウ素
「許容上限量」の数値が3000μg→2200μgに引き下げられました。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの働きに必要なミネラルですが長期間、
過剰に摂取すると甲状腺の機能低下や甲状腺腫の要因になるともいわれています。
日本人の一日の平均的なヨウ素所要量は約1500μgなので普通に食事をしていれば特に問題はありません。
 
各種栄養関連業務に活用することをねらいとし活用の基礎理論を整理し、
「食事改善」と「給食管理」を目的とした食事摂取基準の基本的概念と活用の留意点を示しました。
 
「乳児・小児」「妊婦・授乳婦」「高齢者」について、特別な配慮が必要な事項について整理されました。

  
 
※増やすべき栄養素
食物繊維      n-3系脂肪酸     カルシウム     カリウム
 
※減らすべき栄養素
コレステロール     ナトリウム

 
 
 

  

栄養士    高橋 広海             

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