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NO.127

 

水分補給をしっかりと!

'10. 7月号

 

 
 
人間の体は水分でできているといわれていますが、
その割合は胎児が約90%、新生児が約75%、子どもが約70%、成人が約60〜65%、
老人が50〜55%といわれています。そして人間は1%の水分を失っただけで喉が渇きます。
生命維持のためにには水分は絶対に欠かすことのできないものです。
体内の水分は常に働いていて何もせず寝ているだけでも、肺と皮膚の呼吸で約20/s/日の水分を失っています。
つまり体重50sの人であれば約1000mlになります。また体内の水分は汗や尿となって排泄されますが、
尿や便などで約1500ml/日も排泄されているといわれています。
失われた水分を補給することにより体内でスムーズに循環させ、健康を維持しています。

 
 
●水分の働き
     血液となり体内に栄養分を運搬する
     老廃物を溶かし体外へ排泄する
     体液となって細胞の働きを助ける
     浸透圧を保つ
     体温を調節する
     体の冷却作用(熱中症を防ぐ)がある
 
体内の水分には塩分(ナトリウム)やカリウムが溶け込んでいます。
そして体は水分量とナトリウムなどの濃度を一定に保つ働きをしています。
ナトリウム濃度が高くなると喉が渇き水分の摂取量が増えていきます。
さらに喉の渇きに脳が反応し、腎臓から尿の量を少なくするホルモンが分泌されます。
そのようにして体の水分量を増やし、ナトリウム濃度が低くなると、
腎臓から排出される尿の量が多くなり血液中の水分量が減ることでバランスをとっています。
反対にナトリウム濃度が低くなると、
腎臓から排泄される尿の量が多くなり血液中の水分が減ることでバランスが保たれています。

 
 
●水分量が不足すると・・・
     新陳代謝が鈍る
     血液中に含まれる糖や脂質が排泄されにくく、ドロドロ血液になりやすい
     血栓ができやすい
     脱水症状を起こしやすい
     頭痛、体温上昇、脈拍上昇などの症状が出やすい
     便秘しやすくなる 

  
 
より良い水分摂取の仕方
【必要な量は?】
人間の体から失われる水分は一日で約2000〜2500mlです。
そして食事から摂取する水分量は約1000ml、体内での代謝水(呼吸での水分のこと。
水素の酸化で生じる)として約200mlとすると飲料水として水分を補給するのは約800〜1300mlになります。
汗をかいた場合は約1800mlの水分を補給してよいでしょう。
 
【飲み方は?】
一度に一気に飲んでしまっては過剰な水分が胃液を薄くして消化不良を起こして余計にバテてしまいます。
1回につき約200ml程度を何度かにわけて飲むことが大切です。
朝、食事時、3時のおやつや入浴後、就寝前などこまめに水分補給をしましょう。
朝起きた時の体は、寝ている間に呼吸や皮膚を通して水分が失われている状態です。
ですから起きたらコップ一杯の水分を摂りましょう。
そして体を動かしているときにはさらにこまめに水分補給をしましょう。
体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状に陥り、熱中症や熱けいれんを引き起こしてしまいます。
また、アルコールを飲んだとき、
下痢をしているときなどは体内の水分が大量に失われていますので積極的に水分を補給しましょう。
反対に水分の摂り過ぎだとどうなるかというと、
過剰な水分を処理するとめに腎臓に負担がかかり体内の老廃物を処理しきれなくなるため体がだるくなる、
疲れやすいなどの症状が起こる場合もあります。
 
【良い水分とは?】
最近ではさまざまな清涼飲料水が売られていますので、いろいろな味が楽しめます。
しかし糖分には気をつけましょう。水、お茶、スポーツ飲料などがおすすめです。
冷房の効いたところにいる方は温かいお茶か常温の水分を摂りましょう。
 
 
 
 

  

栄養士    高橋 広海             

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