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NO.125

 

「こ食」について

'10. 5月号

 

 
「こ食」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。食生活のバランスがとれていない近年、この言葉をよく耳にします。
こしょく=こ食、そして「こ」には「個」「弧」「固」「小」「粉」「子」「濃」が当てはまります。
子どもや若年世代だけではなく、高齢者にも多い傾向です。
平成17年に「食育基本法」という法律が制定され、
国民運動として食育の推進に取り組んでいくことが課題となりました。
まず、これらの「こ食」について見直していくことが食育にとってとても重要だとされています。
 

※食育基本法
 
平成17年 6月10日に第162回国会で成立し、同年 7月15日に施行される。この法律の目的は国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるよう、食育を総合的かつ計画的に推進することにある。

 
 
【個食】

家族揃って食事をしているのに、各々が別々のものを食べているスタイルです。
自分の食べたいものであれば家族とは違うものを食べてしまうようなことです。
これでは外食のときに別々のメニューを頼んでいるのと同じです。
味を共感することでコミュニケーションが生まれます。
また、大皿盛りで出すと好きなものだけを食べがちです。一人5皿に盛り付けるメニューが理想的です。
 
【孤食】
独りで食事をすることです。
一人暮らし、核家族化、生活リズムの違いなどで独りで食事をしているようなことです。
孤食は寂しくて味気ないとされ、食育的にはよくありません。
幼いころから弧食をしていると協調性が身に付かないといわれることもあります。
 
【固食】
同じものばかりを食べているスタイルです。
気がつくと同じもの、似たようなものばかり食べているというようなことです。
栄養バランスが崩れやすく、カロリーオーバーになり肥満の原因になります。
なるべくたくさんの食品を摂りましょう。
 
【小食】
食事の量が少ないことです。
ダイエットなどで食事の量が少なくなってしまうということです。
必要な栄養が不足しがちになり、抵抗力が落ちる、やる気がでない、などの症状がでることがあります。
高齢者だから少なくてよい、ということはありません。一日3食きちんと食べることがとても大切です。
 
【粉食】
麺類やパン、パスタなどの粉が原料のものばかりを食べていることです。
食の欧米化によって増えてきているスタイルです。
やわらかいものが多いので、咀嚼する力が弱くなるといわれています。
 
【子食】
子どもだけで食事することです。
親が一緒に食べない状態のことです。
子どもの塾通いなどで一緒に食事のできないことも多く見られるようですが、一緒に食卓に座るだけでも違います。
食事は子どもの心身ともに成長させるものです。
 
【濃食】
濃い味付けのものを好んで食べている状態のことです。
加工食品や調理済みの食品ばかり食べることです。
またマヨネーズやケチャップ、醤油などをたくさんかけてしまうことです。
塩分の過剰摂取、カロリーオーバー、また味覚障害の原因にもなります。

 

 「食」は人間の三大欲求の一つです。
そして本来食事とは大切な団らんの時間でもあります。
お腹も心も満たしてくれる食事が、本当の意味で「健康的」といわれます。
大人だけではなく子どもも忙しい時代ですが、食事のスタイルをぜひ見直してみてください。
 
 
 

  

栄養士    高橋 広海             

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