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NO.122

 

高脂血症(脂質異常症)を防ぐ食生活

'10. 2月号

 

 
近年、健康診断で『高脂肪血症の疑いあり、
日常生活で経過観察を要します』などという結果が増えているようです。
これは中高年層に限ったことではなく、若年層や子供まで増えているようです。
※「高脂血症」は2007年4月より「脂質異常症」に呼び名が変わりましたが、ここでは高脂血症とします。
 
高脂血症とは?
高脂血症とは、血液の脂質の量が異常に増えた状態のことをいいます。血液が粘り、ドロドロの状態のことです。
人間の血液中には4種類の脂質「コレステロール」「中性脂肪」「リン脂質」「遊離脂肪酸」が存在していますが、
これらの一つでも正常値以上に存在してしまうと高脂血症といい、
中でもコレステロールと中性脂肪の増加は動脈硬化の危険因子になります。
 
血液中の脂質の状態
脂質(油)は血液(水)と溶けあわないのでこれらの脂質は、それ自体では血液中に存在することができません。
ですからこれらの脂質はタンパク質と結びついてタンパク質に包まれた形で存在します。
タンパク質は油に親和性があり水にも溶けるからです。これをリポたんぱくといいます。
 
高脂血症の原因
主に肥満、食べ過ぎ、運動不足、飲酒などの生活習慣の乱れからくるものですが遺伝や、
甲状腺機能低下、胆のう疾患などがある場合は、
脂肪の合成が促進されたしまうため脂肪の分解機能が低下して高脂血症が起こる場合もあるといわれています。

 
 

食生活で気をつけること
○食べ過ぎない!
高脂血症の方、予備軍の方はとにかく消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多いようです。
余分なエネルギーは、肝臓で中性脂肪になり血中レベルも高くなります。
また血中コレステロールも高くなります。自分が一日に必要なエネルギー量を守りましょう。
 

一日に必要なエネルギー量 = 標準体重(s) × 活動量

【標準体重の求め方】            【活動量の目安】
身長(m)2 × 22                  軽い活動    25〜30
                                               中等度の活動    30〜35
                                  重労働    35〜

 
○脂肪の摂取量を控える
脂肪、特に動物性脂肪には不飽和脂肪酸が多く含まれているためコレステロールを増やしてしまいます。
 

不飽和脂肪酸が多く含まれる食品

肉の脂身やバター、チーズ、生クリームなど

 
○コレステロールの摂取量を控える
血液中の存在するコレステロールのうち、3分の1が食事からのもの、残り3分2が肝臓で合成されたものです。
血中コレステロールを低下させるためには肝臓での合成を抑えることともに
食事からの摂取量を控えることが大切です。
 

コレステロールが多く含まれる食品

肉類、内臓類、バター、チーズ、生クリームなど

 
○食物繊維の摂取量を増やす
食物繊維には、脂肪の吸収を抑える働きがあります。
腸管からコレステロールの吸収を抑えて、体外に排出します。特に水溶性食物繊維がよいでしょう。
 

食物繊維が多く含まれる食品

野菜(特に根菜)、海草、豆類、きのこ類

  
○抗酸化食品を摂取する
コレステロールが酸化されると血管壁に蓄積します。
コレステロールを酸化させないためには積極的に抗酸化食品を摂取することが大切です。
 
○アルコールに気をつける
アルコールは過剰摂取すると肝臓で分解しきれず、中性脂肪になってしまいます。
男性で中性脂肪が高いのはアルコールが原因といわれています。

 

 

栄養士    高橋 広海             

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