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NO.121

 

二日酔いには注意しましょう

'10. 1月号

 

 
酒は昔から『百薬の長』と言われています。
適量のアルコールは、中枢神経をほどよく麻痺させることでストレス解消にもなりますし、気分転換にもなります。
また、食前の一杯は胃液の分泌を高めて食欲を増進させる働きがあります。
しかしお酒好きの方の中には、ほとんど何も食べずにお酒を飲んでしまうという人もいます。
胃が空っぽの状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早すぎて胃や肝臓に負担をかけ、
そして二日酔いの原因になってしまいます。
二日酔いとは一般的にお酒を飲んだ翌日に頭痛や吐き気、疲労感などの症状のことをいいます。
なぜ二日酔いが起こるのかというと、
アルコールは肝臓で分解されますがその分解過程で「アセトアルデヒト」ができます。
これが二日酔いをもたらす物質であり、アセトアルデヒトが血液中に取り込まれて体内に回ってしまうため、
吐き気や頭痛などの症状が起きてしまいます。
また、肝臓には体内のエネルギー源となる糖を作り出す働きがありますが、
肝臓で大量のアルコールを分解するようになると糖が作り出されにくくなり、
そのため体内では低血糖の状態になってしまいます。
このため体のだるさやぼーっとしてしまう、などの症状が起きてしまいます。
お酒を飲むときに胃や肝臓に負担をかけないためにも必ず「食べながら飲む」が鉄則です。
ただし、おつまみは味が濃く塩分の多いものや高カロリーなものが多いので、
塩辛いものや脂肪分の多いものはできるだけ控えるようにしましょう。
お酒は間違った飲み方をすると胃腸炎や脂肪肝、アルコール性肝炎、高血圧、糖尿病、肥満などの
原因になってしまいます。上手にお酒と付き合っていきましょう。

 
 

二日酔いを防ぐ食べ物
空腹時にアルコールを摂取すると二日酔いの原因になります。
二日酔いを予防するためによいとされている食べ物を、お酒を飲む前や飲んでいるとき、
さらには飲み終わった後に、上手に摂っていきましょう。

 
【牛乳】
牛乳を飲むことでタンパク質を摂ることができので肝臓を守ります。
また胃壁を保護する役割があります。冷たい牛乳は胃を刺激してしまいますので、温めて飲むのがよいでしょう。
 
【柿】
昔から酔いざましには柿がよいと言われてきました。
これは柿の渋みのものとであるタンニンの一種である「アルコールデヒドロゲナーゼ」と「シブオール」という酵素が
アルコール中のアセトアルデヒドを分解させる働きがあるからです。
また、柿に含まれている果糖が低血糖状態の糖分補給になります。
そして、柿にはビタミンCが豊富に含まれているので肝臓の働きを助けます。
さらに柿に含まれているカリウムには利尿作用がるのでアルコールを体外に排出させます。
 
【梅干し】
梅干しに含まれるクエン酸には肝臓の働きを活発にする働きがあります。
また、肝臓の解毒作用を高める働きがあるので二日酔いにはとても効果的だと言われています。
そして、酸っぱい「酸」が胃をスッキリとさせ、疲労の元である乳酸の分解を促します。
 
【しじみ】
しじみに含まれている「オチアミン」「タウリン」という物質がコレステロールと結びつき、
胆汁の分泌を促進します。そして、解毒作用を促すことで、肝臓の働きを強化します。
しじみは冷凍すると栄養価が高くなるので、
砂抜きをしたあとに密封して6時間〜12時間くらい冷凍するとよいでしょう。
しじみのお味噌汁は飲みやすく、とてもおすすめです。味噌は少なめにしてもよいでしょう。
 
【卵】
卵はとても良質なタンパク質です。人の体内では生成することのできない必須アミノ酸をすべて含んでいます。
その中でもメチオニンというアミノ酸を豊富に含み、肝臓の働きを活発にします。
 
【大根】
大根に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素が消化を助けるので胃もたれなどを防ぎます。
またアセトアルデヒドを体外に排出する働きもあります。
大根の皮にはビタミンCも含まれますので、皮ごとおろした大根おろしを小鉢一杯くらい食べることによって、
二日酔いを防ぐことができると言われています。
 
【梨】
梨には「アスパラギン」という成分が含まれています。
これは体外にアンモニアを排出し、肝機能を高める働きがあります。
 
【トマト】
トマトの酸味であるリンゴ酸やクエン酸には胃の働きを活発にする働きがあります。
また体内の代謝を促す働きもあるので疲労回復によいとされています。
二日酔いの疲れには、冷やしトマトやトマトジュースがよいでしょう。
 
【枝豆】
おつまみの王様といわれています。
枝豆にはビタミンCとタンパク質が豊富に含まれていて、アルコール分解を促す働きがあります。
 
【ニンニク】
肝機能を高め、解毒作用を促しアセトアルデヒドを体外に排出する働きがあります。
また、食欲増進、疲労回復にも役立ちます。ホイル焼きなどにしてそのまま食べるのがよいでしょう。
ただし、食べ過ぎによって胃を荒らすこともあるので適量を食べましょう。

 

 

栄養士    高橋 広海             

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