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NO.115

 

冷房病にご注意を!

'09. 7月号

 

 
今年の夏も暑くなりそうです。
日本人の体は季節に適応するようにできていて、夏は汗をかくことで熱くなった体温をひやそうとします。
しかし現代では暑い夏は冷房をきかせた室内にいることが少なく、
汗をかく環境ではない、むしろ冷房によって体を冷やしすぎてしまう傾向があるようです。
ですから、冷房病にかかる方が少なくないと言われています。
冷房病とは室内と外気の温度差が5℃以上ある環境を繰り返すと起こりやすくなります。
つまり冷房のきいた室内と暑い外での温度差に体がついていかなくなる状態のことをいいます。
体温を調節する体の機能が不調になることによって周囲の温度に適応できなくなる、自律神経症のことです。
症状としては、足腰が冷える、体がだるい、不眠、肩こり、腰痛、頭痛、胃腸障害、下痢、むくみなどがあるようです。
また免疫力が低下することによってカゼをひきやすくなる、
ホルモンバランスの乱れによって月経不順になる、という症状もあるようです。

 
 

冷房病を予防するための食事
●温かい食べ物を食べましょう
冷えた室内で冷たい食事を食べることは、体の冷えを助長することになってしまいます。
食欲が低下し、さっぱりしたざるそばや素麺などで済ませる人もいますが、
体の芯から冷えますのでなるべく温かい食事をとりましょう。
生野菜を温野菜や野菜スープにしてみるなど工夫をしてみたり、
体を温めるスパイスなどを使った食事をしてみるのもよいでしょう。
【体を温める食材】
○人参、かぼちゃ、大根、玉ねぎ、ごぼうなどの地下で育成する根菜類
○しそ、唐辛子、わさび、にんにく、などの香辛料⇒血行を良くします
○その他・・・梅、チーズ、味噌、ゴマ、ゆず、黒砂糖など
【体を冷やす食材】
○トマト、きゅうり、なす、レタスなど地上で育成する野菜類
○その他・・・セロリ、すいか、梨、柿、アロエ、ビール、ジュース、白砂糖など
 
●温かい飲み物を飲みましょう
夏は冷えたビールやジュースがおいしく感じられますが、飲みすぎないようにしましょう。
冷房のきいた部屋ではお茶は体温以上の温度にして飲むと、冷房病の予防になります。
またコーヒーや紅茶のカフェインは体温を上げますが飲みすぎないように注意しましょう。
 
●タンパク質をきちんと摂りましょう
良質のタンパク質には必須アミノ酸(人間の体内では合成することができず、食物から摂取するべきアミノ酸)
が含まれています。
必須アミノ酸は自律神経と体温調節の働きを正常する役割があり、
体温をゆっくりと上昇させて体の中から温める働きをします。
 
●ビタミンE、ビタミンC、鉄分を多く摂取しましょう
○ビタミンEは毛細血管の老化防止になり、血行を促進させます。また、ホルモン分泌の調節をします。
○ビタミンCは毛細血管の機能維持をします。
○鉄分は不足すると貧血になる酸素が不足することによって抵抗力の低下、
   また体温のコントロールができなくなってしまいます。
 
●甘い食べ物、飲み物は控えめにしましょう
糖分を摂取しすぎると血液中に血糖や中性脂肪が増えてしまい、
血行が悪くなり体に冷えを助長させてしまいます。
 

 
※冷房病によってたまった冷えは冬の冷え性にも影響があると言われています。
   体の芯が冷えることがないようにするためにも、冷房のきいた室内では汗ばむくらいの食事をしましょう。
 
 


 

栄養士    高橋 広海             

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