ホーム > あしたも元気 > 疲労を溜め込まないために

 
 

NO.112

 

疲労を溜め込まないために

'09. 4月号

 

 
季節の変わり目や急激な温度変化などによって、体の重みやだるさを感じていませんか?
疲労の症状は全身倦怠感などや肩こりなどの筋肉疲労と、ストレスなどによる神経疲労がありますが、
疲労が溜まると貧血や胃腸病、また栄養失調などの症状を引き起こすことがあります。
また、抵抗力や免疫力が低下してしまいます。筋肉疲労は乳酸という物質が体内に発生することで起こります。
乳酸とは体を動かしたりエネルギーを消費するときの発生しますが、
わかりやすくいうとエネルギーを生むときに完全燃焼できずに残った燃えカスのようなものです。
通常、食べ物を摂取すると体内でブドウ糖に変換し、さらに酵素やビタミンなどになりますが、
このブドウ糖が完全燃焼されないと「焦性ブドウ糖」というものができ、
これが筋肉に蓄積されると一部が乳酸になります。
この結果、細胞に栄養や酵素を取り組むことが難しくなり血液循環が悪くなり、これが筋肉疲労になります。
精神疲労は、神経細胞の接合部であるシナプスにおける刺激に伝導の遅れが原因しているといわれています。
疲労を溜め込まないようにするためには、十分な酵素と栄養が必要になります。
また生活のひずみを見直すことで改善される場合がほとんどです。
 

疲労を溜め込まないための栄養
●エネルギー補給をすること
肉体疲労の原因となるとエネルギー不足を解決するには、即効性の高い糖質を補給することが必要です。
また、脳や神経系にもブドウ糖を優先的にエネルギー源にするため、甘いものを補給することも必要です。
 
●たんぱく質を補給すること
筋肉疲労、精神疲労ともに、タンパク質の必要量は増大します。
肉体的な刺激や精神的な刺激が与えられると、
体の代謝機能は体内のタンパク質の分解度を高める方向に働くからです。
ですから良質なタンパク質を摂取しましょう。牛乳、卵、魚、肉、豆腐などを十分に摂取しましょう。
 
●ビタミンCを補給すること
全身的な代謝の高まりはビタミンC消耗が増大します。
ビタミンCを多く含む食品の摂取を心がけましょう。柑橘類や緑黄色野菜などがそうです。
 
●ビタミンB郡を補給すること
ビタミンBはエネルギー代謝と疲労回復に役立つビタミンです。
ビタミンB郡は糖質や脂質がエネルギーに変換されるときに必要不可欠で、中でもビタミンB1が特にそうです。
ビタミンB1は体内で合成されないめ食事から摂取します。うなぎ、豚肉、豆腐、レバーなどがそうです。
※ビタミンB1にアリシンの組み合わせ
アリシンとはにんにくやニラ、たまねぎ、らっきょうなどの香味野菜に含まれる成分のことです。
ビタミンB1と融合するとアリチアミンという物質になり、血液中に長く留まり血液循環を促し、
疲労回復につながります。

 
●クエン酸を補給すること
クエン酸とは、「焦性ブドウ糖」を分解す乳酸の生成を抑える物質です。
食べ物は栄養素がクエン酸などの8種類の酸に分解されエネルギー生産されますが
これはクエン酸サイクルと呼ばれる回路によって行われます。
このクエン酸サイクルのまわりがうまくいっていないと疲れやすい、また太りやすくなるといわれています。
クエン酸はレモン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類や酢、梅干しなどに含まれています。


 
 
 

 

栄養士    高橋 広海             

前ページ < top > 次のページ