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NO.105

 

秋の野菜をおいしく食べよう

'08. 9月号

 

 
食欲の秋、涼しくなってくるとおいしい旬の野菜が出回ります。
旬の食材は一年のうちで収穫量が最も多く、価格も安く、なんといっても栄養価が最も高く味も一番良いのです。
体に必要な栄養素がぎゅっと詰まった旬の秋野菜をおいしく食べて心身ともに元気になりましょう。
 

『秋野菜の栄養と効果』
さつまいも 旬/9〜11月
[栄養素]
○いもの中でも糖分含有が多く、甘味が強い。
○コレステロールに強い食物繊維のセルロースが豊富に含まれている。
   また、切った時に出る粘液もヤラビンという食物繊維。
○ビタミンB1、ビタミンC、ビタミンE、カリウムが含まれる。
[効用]
○消化器官の働きを高めて胃腸を丈夫にする
○便秘解消
○風邪予防
○がん予防(色素に含まれるポリフェノールの一種「アントシアニン」に抗酸化作用)
※栄養を丸ごと食べるなら焼き芋がよい。また煮る時はしょうがやレモンを加えると消化機能の働きが高くなる。
 
里芋 旬/10〜11月
[栄養素]
○カロリーが低い。
○食物繊維が豊富。
○カリウム。
○ぬめり成分のムチン。
[効用]
○胃の粘膜を保護し、胃炎や胃潰瘍の症状を和らげる
○脳細胞を活性化させる
○食欲増進
○コレステロールの生成を抑え、血圧を下げる
※塩もみか下ゆでしてぬめりを取るが、取り過ぎないようにする。
 
ごぼう 旬/9〜11月
[栄養素]
○独特の歯ごたえがあり、リグニンという食物繊維が豊富。
○カリウム、マグネシウム、炭水化物(イヌリン)、カルシウムが含まれる。
[効用]
○便秘の解消や大腸がんの予防
○血糖値の上昇を抑える
○利尿作用
○腎臓の機能を高める
※リグニンは切り口が多いほど効果が高いので、ささがきにするとよい。
   リグニンは肉と相性が良いので、組み合わせて調理するとよい。
 
れんこん 旬/秋〜冬
[栄養素]
○ビタミンCは根菜類の中で最も豊富に含まれている。
○食物繊維。
○ビタミンB1、ビタミンB12、カリウム、ぬめりの成分ムチン。
[効用]
○胃壁を保護する、胃炎や胃潰瘍の予防
○滋養強壮
○美容や老化防止
○風邪のひき始めに
※ゆでる時に塩を小量落とすと白く色よく仕上がる。ビタミンC、ムチンは水に溶けやすい。
 
春菊 旬/晩秋〜春先
[栄養素]

○いろいろな成分をまんべんなく含む緑黄色野菜だが、特にカロチン、ビタミンB1、B2、カルシウム、鉄、カリウム。
○食物繊維
[効用]
○免疫力を高める
○胃腸の働きを高める、胃もたれなどの解消
○貧血の改善
※肉や魚の入った鍋に春菊を入れると、動物性食品の脂質の働きでβカロチンの吸収率が高まる。
   鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるので、
   レモン、ゆず、すだちなどの柑橘系を調理の時に加えるとよい。
 
ブロッコリー 旬/9〜3月
[栄養素]

○野菜の中でも特に栄養バランスが優れている。
○ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、カロチン、鉄。
○食物繊維
[効用]
○ルティンというカロチンに抗がん作用があるといわれている
○美容や細胞の老化防止
○鉄分、ビタミンCが豊富で貧血予防
○風邪の予防
※ゆでる時は手早くゆで、水にさらさない。アクも少ないので水にさらすと栄養成分が損失しうまみも減少する。
   油を使って調理するとβカロチンやルティンも吸収率が高くなる。
 
きのこ類 旬/秋
[栄養素]

○食物繊維。
○ビタミンB1、B2、ビタミンD。
[効用]
○低カロリーで食物繊維が脂肪を体外に排出するのでダイエットに
○βグルカンという成分が免疫力を高める
○生活習慣病の予防
○高血圧、動脈硬化の予防
※しいたけはカサの裏を上にして日光を当てると旨みが増す。しめじは必須アミノ酸のリジンを含み、
   血中コレステロールを減少させ肝機能の働きを高める。
   えのきだけはきのこの中で一番ビタミンB1が多く含まれている。まいたけはカリウムがしいたけの2倍以上ある。
   マッシュルームはビタミンDが多く含まれカルシウムの吸収率を高める。
    

 
 
 

 

栄養士    高橋 広海             

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