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NO.104

 

気になる体脂肪

'08. 8月号

 

 
体脂肪とは、文字通り「体内の脂肪」のことです。
一般に、肥満=体重の中の脂肪の割合(体脂肪率)が高い、ということになります。
体脂肪には、皮膚の下に溜まる『皮下脂肪』と内臓の周りに溜まる『内臓脂肪』がありますが、
特に気をつけなければならないのが内臓脂肪です。
内臓脂肪は内臓への負担が大きいことに加え、血液中に溶け出して様々な生活習慣病の原因となるからです。
そもそも体脂肪は人間が生きていく上で欠かせないものです。
 
■体脂肪の役割
   ○エネルギー源となる
   ○細胞やホルモンを構成する
   ○体温を保つ
   ○クッションとして体を守る
過剰なダイエットなどにより体脂肪が不足すると、
皮膚や毛にハリやコシがなくなったり、ホルモン分泌異常などが起こりやすくなるといわれています。
しかし近年、「メタボ」などが話題となり、過剰な体脂肪が及ぼす問題が注目されています。
体脂肪が増えないための、また減らすための食事を意識していくことが大切です。
 

体脂肪を減らすために
人間の体脂肪は、脂質からよりも食事中の糖質から蓄えられるといわれています。
食事や間食から摂取するエネルギーの60%以上が糖質であり、
糖質を過剰に摂取すると脂肪の合成を促進し、脂肪の分解を抑制してしまいます。
ご飯やパン、パスタなどの糖質は比較的消化吸収がゆっくりですが、
お菓子類、清涼飲料水などの糖質は消化吸収が早く血糖値を急激に上昇させてしまい、
脂肪細胞を蓄えるためのインスリンの分泌を促進し、
糖質から脂肪がつくられやすくなり体脂肪の合成を促進します。
 
●糖質の摂り方
かといって、糖質抜きの食事は体にとってマイナスです。
糖質は即効性のあるエネルギー源で、
特にブドウ糖は脳、神経系、赤血球、筋肉などの唯一のエネルギー源なのです。
糖質不足の状態が続くと脳や神経系の機能障害を起こすことがあります。
また、肝臓に蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に分解することによって、
肝臓の解毒作用が低下して肌荒れなどの原因になります。
抵抗力の低下、疲労の原因にもなるといわれています。
糖質はビタミンB1と一緒に摂取すると効率よくエネルギーとなります。
また、植物繊維を一緒に摂取することで体脂肪を蓄積させたいようにします。
※[不溶性食物繊維]
    硬くてよく噛まないとならない食品が多く満腹感を得られやすい。
    玄米・おから・ごぼう・きくらげ・エリンギ・切干大根など
   [水溶性食物繊維]
    コレステロールやナトリウムを体外排泄する働きがある。
    あしたば・納豆・プルーン・里芋・モロヘイヤ・おくら・ワカメ・コンブなど

●1日3食
欠食すると空腹時間が長くなり、体内に脂肪を溜め込みやすくなります。
3食きちんと食べましょう。夕食はカロリー控えめにして、肉類や魚類より野菜の量を増やすとよいでしょう。
そして、寝る3時間前は食べないようにしましょう。
夕食の時間が遅くなると余分なカロリー摂取になりやすく、体脂肪が増加しやすくなります。
また早食い・まとめ食い・ながら食いはやめましょう。
 
●良質なたんぱく質
筋肉の材料となるたんぱく質を摂取することで、筋肉をつけ基礎代謝量がアップします。
運動不足や加齢によって筋肉が落ちると基礎代謝量も少なくなるため体脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
動物性たんぱく質は脂質も多いのですが、
動物性たんぱく質だけでは体内で合成することのできない必須アミノ酸をまかなうことができません。
動物・植物性たんぱく質をバランスよく摂取しましょう。
また、たんぱく質や脂肪の代謝を促進するビタミンB2、B6が含まれる食品と一緒に摂取しましょう。
 
●体脂肪の適用範囲
   男性 15〜19%
   女性 20〜30%
    

 
 
 

 

栄養士    高橋 広海             

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