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NO.101

 

生活習慣病を防ぐ食生活

'08. 5月号

 

 
生活習慣病の原因の主は食生活(食習慣)と言われていて、
その他運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、睡眠習慣などの歪みによるものとされています。
遺伝や環境の影響もあるのですが、生活習慣病の改善によって第一次予防をすることができます。
生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症など)を予防するには、食生活!
1日3食バランスよく!が基本です。
 

体が必要とするエネルギー量
生活習慣病を防ぎ、健康を維持するためには、自分の体に見合ったエネルギー量を摂取することが必要です。
エネルギーの過剰摂取は肥満になり、
そこから高血圧や高脂血症、糖尿病、痛風、脂肪肝、関節痛などを引き起こし、
さらに動脈硬化から狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの要因になるといわれています。
1日に必要なエネルギーは年齢・性別・身体活動量などによって決まっています。
 
【成人が1日に必要なエネルギー】
□標準体重×25〜30Kcal
   標準体重=身長(m)×身長(m)×22
   《例:身長165cmの人  1.65×1.65×22=60s》
つまり、標準体重が60sの人なら、1500〜1800Kcalとなります。
生活量が少ない人や減量が必要な人、高齢者は少ないエネルギーを基準とします。
 
※腹回が、男性85p以上、女性90p以上は注意が必要といわれています。
また、標準体重より10s以上多い人は生活習慣病に要注意です。

 
 
生活習慣病を予防する食事ポイント
○1日3食!
欠食をすると1回に食べる食事の量が増えてしまい、カロリーオーバーになります。
つまりまとめ食いは肥満につながるということです。
また、食事と食事の時間が長いといわゆる飢餓状態となり、
食べたとき時に消費しないで内臓に蓄えておく現象が起こり、太りやすくなります。
 
○主食は適量に、副食は1〜2皿/1食!
主食とは、米や小麦など穀類を原材料としたもので、
日本人は1日のエネルギーの約半分を主食から摂取していて、
主成分が「でんぷん」なのでエネルギー源としてとても重要な役割をしています。
副食は、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂取することが大切です。
肉・魚貝・卵は良質な動物性タンパク質を含む食品で、
毎日摂取したいものですが、食べ過ぎてしまうと動物性脂肪の過剰摂取になります。
大豆・大豆製品は植物性タンパク質を多く含む食品で、
リノール酸が多く食物繊維、鉄分、カルシウムなども含まれますが、
動物性食品に比べると吸収率はよくありません。
 
○野菜は必ず!
野菜にはビタミン、ミネラルはもちろん食物繊維が多く含まれています。
食物繊維は大腸ガンの予防やコレステロール低下作用、糖尿病予防、便秘予防や改善によい栄養素です。
また、野菜自体にはカロリーが低いので、エネルギーの過剰摂取を防ぐことができます。
※野菜調理が面倒なら…!?
・生で食べる ・カット野菜を利用する ・汁物(味噌汁やスープ)に具だくさん ・まとめて茹でておく
 
○塩分控えめ!
汁物や漬物は毎食ごとに食べるのではなく、1日1〜2回にしましょう。
食塩は塩化ナトリウム(Nacl)でナトリウムと塩素の化合物ですが、
ナトリウムの過剰摂取は高血圧を引き起こし、腎臓病や脳梗塞、狭心症などの危険因子となります。
※減塩のためには…
・調理は薄味で
・レモンや柚子などの柑橘類、みょうがや生姜などの香味野菜、
  コショウや辛子などの香辛料、酢の酸味などを利用する
・加工品(ハムやソーセージ、魚の干物、練り製品など)は塩分が高いので控えめに
 
○果物は1日1品!
果物は約90%が水分で、その他の主成分が糖質、食物繊維、ビタミンC、カリウムなどが含まれています。
 
○牛乳・乳製品も必ず!
牛乳・乳製品は多くの栄養素が含まれていて、バランスがとれています。
特にカルシウム豊富で、体内での吸収率も高いのです。
 
○嗜好品はルールを守る!
甘い物、アルコールの過剰摂取により食生活の歪みは少なくありません。
これらは体内で中性脂肪になりやすく、肥満や高脂血症の原因になります。
例えばコーヒーに入れる砂糖は少なめにする、甘いお菓子は1日1回、
アルコールならビールは1日1本を週3回など、ルールを決めて守っていくことで食生活を見直すことができるでしょう。

 
 

 

 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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