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NO.96

 

日本の食文化〜豆類〜

'07.12月号

 

豆類はマメ科植物の種子や果実として栄養を蓄えて繁殖するためのものですが、
豆類にはたくさんの栄養が含まれており、
人間をはじめ多くの動物にとって古くから重要な食糧となっています。
また豆類の種子は、穀類と並ぶほど貯蔵性があります。

日本では特に大豆をさまざまな形に加工して、日本独特の食文化をつくり上げてきました。
世界の大部分の大豆は主に油用(食用油、マーガリンなど)に用いられ、
採用後の大豆はほとんど飼料や肥料として利用されていて、大豆を食用とするのはごく一部だそうです。
しかし日本では醤油や味噌、豆腐、納豆などに用いられ、
これらは日本の食文化の代表と言えるのではないでしょうか。
大豆にはタンパク質や脂質が多く含まれています。またカリウムが多く含まれています。
そら豆や小豆などには炭水化物とタンパク質が多く含まれています。
 

 
大 豆
昔から五穀の一つとして、また「畑の肉」として、動物性食品に代わる重要な食物です。
タンパク質が非常に多く、大豆100g中に対して35.3gのタンパク質が含まれています。
また脂質も多く含まれていて、特にリノール酸と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれています。
リノール酸にはコレステロールを低下させる働きなどがありますが、
大豆に含まれる脂質のうちおよそ50%はリノール酸なのです。
その他、ビタミンB1、ビタミンEも多く含まれます。またレシチン、イソフラボン、サポニンなども含まれます。
  

大豆加工食品の栄養成分(100g中)

  エネルギー 繊維 タンパク質 脂質 カリウム カルシウム ビタミンB1 ビタミンB2
大豆 417Kcal 4.5g 35.3g  19g  1900r 240r 0.83r  0.3r
豆腐   77Kcal   0g  6.8g 6.8g     85r 120r 0.07r 0.03r
納豆 200Kcal 2.3g 16.5g  10g    660r   90r 0.07r 0.56r

このように、大豆・豆腐・納豆を比べてみると特徴があります。
大豆はタンパク質と脂質が多く含まれていますが、消化吸収が悪く、全部を消化することができません。
しかし豆腐に加工すると繊維分がなくなり水分が多くなることで吸収されやすくなります。
また豆腐では凝固剤の関係もありカルシウムが多く含まれます。
納豆は大豆と成分は似てますが、納豆は納豆菌によって非常に消化吸収がよくなっています。
また、納豆には骨形成作用をもつビタミンK2が豊富です。
 

 
小 豆
北海道で生産されている「十勝あずき」や、兵庫県や京都府の丹波大納言・石川県の能登大納言が有名です。
小豆の約80%は和菓子の餡や甘納豆に利用されています。
餡は日本独特の食品だそうです。
小豆の栄養成分は約60%が炭水化物、約20%がタンパク質、脂質は2%以下になります。
 

 
そら豆
日本で栽培されているそら豆のほとんどは野菜用の品種で、種実用は中国からほとんど輸入されています。
小豆同様、約60%が炭水化物、約20%がタンパク質、2%の脂質です。

 
◎豆類、特に大豆は非常に重要なタンパク源です。
必須アミノ酸がバランス良く含まれていて、低コレステロールです。
毎日欠かさず豆、豆加工食品を摂取しましょう!

 

 
 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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