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NO.95

 

日本の食文化〜砂糖類〜

'07.11月号

 

「砂糖」は、甘味をもつ調味料のことであり、主な成分はショ糖です。
人間の味覚で甘味は、とても重要な役割をしています。
砂糖は糖質であり、ごはんやパンなどと同じ炭水化物になりますから、
砂糖は人の体内でエネルギー源として利用されます。
特に脳のエネルギー源となるのはブドウ糖だけなのです。
砂糖は二糖類で、分解されるとブドウ糖に変わります。
砂糖は穀物などの多糖類よりも分解が速いため、
消化吸収が速やかで失われたエネルギーを素早く補充することができます。
肉体的や精神的に疲労していることや、仕事や勉強などで集中力・持続力が必要なときにはとても適しています。
また、朝起きたときに菓子類などを食べる「おめざ」という習慣は、
脳のエネルギー補給のためといわれているようです。
砂糖を摂り過ぎると肥満や生活習慣病の要因になりますが、必要量は必ず摂取したいものです。
 

 
砂糖の機能
●油脂の酸化を防止する
砂糖には脂肪の酸化を防ぐ働きがあります。
パーターなどの脂肪を使った食物に砂糖を入れることで、脂肪の酸化を防ぎ味を保ちます。
これは、脂肪の中の水分が砂糖と結合して酸素が溶け込みにくくするためであり、
これによってケーキやクッキーなどのバター風味がまもられるというわけです。
 
●お肉を柔らかくする
お肉に砂糖を揉みこむと、砂糖がタンパク質と水分を結びつけてお肉を柔らかくし、ふっくらとおいしくします。
 
●防腐作用がある
砂糖はカビや細菌の繁殖に必要な水分を抱え込み吸収することで、カビや細菌の活動を抑える働きがあります。
 
●パンなどの発酵を促進する
パンはイースト菌(酵母)の働きによって発生する炭酸ガスの働きによって膨らみますが、
酵母は糖分を栄養源としています。イースト菌は砂糖の糖分によって発酵を促進します。
 
●タンパク質の熱凝固を抑制する
プリンや卵焼きなどを作るときに砂糖を加えると、卵や牛乳に含まれるタンパク質の凝固温度を高めて、
柔らかくなめらかにします。
 
●でんぷんの老化を防止する
ようかんやぎゅうひ、カステラなどは、砂糖が水分を抱え込むので、
でんぷんの分子をはさんで密集し結合するという老化現象を防ぎます。
 

 
砂糖の種類
○上砂糖
白砂糖とも呼ばれ日本で使われている砂糖のうち約5割を占めるほど、一般的に多く使われている。
ソフトな風味で、料理やお菓子、飲み物など何にでも合う。
 
○三温糖
黄褐色の砂糖で、表面にカラメルをかけてあるので独特の風味がある。
煮物や佃煮などに使うと強い甘さとコクがでる。
 
○グラニュー糖
上砂糖よりも結晶が大きく、さらさらとした光沢がある砂糖。
クセがなく淡白な甘さなので、コーヒーや紅茶によく合う。
 
○黒砂糖
さとうきびからとった糖液を直接加熱したもので黒糖とも呼ばれる。
無機質とわずかなビタミンを含み、濃厚な甘さと独特の風味がある。
 
○和三盆
日本の伝統的な手法で作られる淡い卵色の砂糖。
結晶はとても細かく口どけがよいので和菓子の高級和菓子などに使われる。
 
○氷砂糖
純度の高い砂糖を時間をかけて氷のような大きな結晶にしたもの。
そのまま食べることができ。また果実酒にも適している。

 
 

砂糖のマメ知識

●砂糖に賞味期限は表示されていない
   砂糖は長期保存食品(製造後、数年以上長期保存できる食品)なので、
   賞味期限の表示を省略することができます。
温度変化のないところで保存
   砂糖をしばらく保存しておくと固まることがありますが、
   これは砂糖の水分の変化に関係しているといわれています。
   固まらないようにするには、冷蔵庫など温度変化のないところで、
   袋のままプラスティックや缶などの密封容器に入れましょう。

 
 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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