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NO.94

 

日本の食文化〜いも類〜

'07.10月号

 

いも類は「穀類」と「野菜」の2つの面を持つ食べ物と言われていて、
世界的にみても主食やそれに準ずる食べ物とされています。
いも類はエネルギーそのものとして重要な役割があり、またビタミンやミネラルが豊富に含まれているからです。
植物の根や根茎がでんぷんなどを蓄えて肥大しているものを「いも」といいます。
根が肥大したものがさつまいもで、根茎が肥大したものはじゃがいも、さといもなどです。
いも類は安定して収穫ができ、保存性にも優れています。
 

 
いも類のでんぷん
じゃがいも、さつまいもの主成分は炭水化物(でんぷん)で、これはエネルギー源となります。
米や小麦のでんぷんと違うのは、いも類のでんぷんが「地下でんぷん」といわれていて、
消化吸収がおだやかで、血糖値の上昇が比較的緩やかであるということです。
また、エネルギーでいうと、
○米=356Ki/100g  ○じゃがいも=76Ki/100g  ○さつまいも=132Ki/100g  ○さといも=58Ki/100g
となり、ダイエットなどにも適しているといえます。
 

 
いも類のビタミン・ミネラル
ビタミンC、ビタミンB1、カリウム、カルシウムなどを含んでいます。
いも類のビタミンCはでんぷんに囲まれていて空気に触れにくいので、
他の野菜などに比べると加熱をしても破壊されにくいので、とてもよいビタミンC源となります。
カリウムも豊富に含まれています。カリウムは、ナトリウムを排出させる働きがあるので、
塩分摂取量の多い日本人にはもってこいの食べ物と言ってよいでしょう。
 

 

じゃがいも

ナス科の多年草で、日本ではおよそ30種のじゃがいもが栽培されている。主食、主菜、副菜、付け合せなど広く使われる。
また、でんぷんの原材料や加工食品、飼料などにも使われる。

含まれる栄養素

カリウム・ビタミンC・ビタミンB1・B2・B6など

選び方

斑点がでていないもの・芽が出ていないもの
(芽にはソラニンという有害物質が含まれるため)

さつまいも

ヒルガオ科の多年草で、日本では紅あずまや紅赤(金時)が人気。焼く、ふかす、煮る、菓子類にする他、でんぷんや焼酎などの原料になる。

含まれる栄養素

ビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、カリウム、植物繊維
※さつまいもの切り口から出る白い液は「ヤラピン」という物質で、緩下作用がある。
   また、セルロースという食物繊維が便の量を増やす働きがあるので、
   便秘の予防や改善によいとされる。

選び方

毛穴の窪みが浅くツヤがあり、ふっくらしているもの。
※さつまいもは蒸す・焼くことでアミラーゼ(でんぷん分解酵素)の働きが進み、
   甘味が増す。アミラーゼは80度以下で徐々に加熱すると甘味がでるので、
   電子レンジで急速に加熱すると甘味が引き出されないことがある。

さといも

サトイモ科の多年草で、肉質は白く粘質がある。
含まれる栄養素 ムチン、食物繊維、カリウム、ビタミンCなど
※さといものぬめり成分「ムチン」は、細胞を活性化させる働きがあり、
   新陳代謝を高める作用がある。また、強い胃酸から胃壁を守る役目もある。
選び方 泥つきで、表面がしっかりとしているもの。
こんにゃく 根茎が肥大したさといもの仲間であるこんにゃくいもを原料とした加工品。
含まれる栄養 グルコマンナン(水溶性食物繊維)
※グルコマンナンは消化されないまま腸に入り、老廃物を体外に排出する働きがある。
※非常にローカロリー(5〜7Ki/100g)である。

 

 
 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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