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NO.93

 

日本の食文化〜穀類〜

'07. 9月号

 

日本には、古くからの食文化があります。
日常の食生活に関係の深い食品群ごとに、特徴をまとめてみます。
今回は、穀類についてです。
穀類とは、種子を食用とするイネ科およびタデ科の植物のことです。

米、小麦、大麦、そば、とうもろこしなど、世界ではそれぞれの風土や気候に合った穀類が生産され、
主食として食べられています。
日本人の主食である「ごはん」はもちろん「米」ですが、米は小麦・とうもろこしとともに『世界三大穀物』の一つ、
日本だけではなく、特にアジアの国々で主食とされています。
人間の歯は32本ですが、そのうちの20本も「臼歯」があり、主に穀類をすり潰す役割があるのです。
さらに、穀類を噛むことで唾液の分泌が高まります。
唾液には、でんぷんを分解する酵素であるアミラーゼがあります。
日本では古くから、米や麦、栗、きび、大豆を主食つして食べ続けてきました。
稲は縄文時代の終わり頃から、農作文化を持つ民族に伝えられたといわれているようです。
その後も、二千年以上も日本では米を栽培しています。
 

 
穀類の栄養価
穀類の栄養成分は、なんといっても「炭水化物」です。
炭水化物は50〜70%を占め、さらにタンパク質が6〜14%です。また、でんぷんを多く含みます。
でんぷんは体や脳を動かすエネルギーの源です。
 

 
ごはん抜きダイエットはやめましょう!
最近では炭水化物抜きダイエットをしている人もいるようですが、
炭水化物は、生体内で主にエネルギー源として利用される重要な成分です。
特に、脳がきちんと働くためには炭水化物からできる「ブドウ糖」が不可欠です。
 

 
穀類は太りにくい
糖質には、二糖類である砂糖、多糖類であるでんぷんなどがありますが、
多糖類のでんぷんがブドウ糖に変換されるのには時間がかかります。
ごはんにはでんぷんが豊富に含まれていますが、
消化・吸収の早いパンや芋類に比べると食後の血糖反応がゆるやかなのです。
さらに、ごはんは粒の食品ですから噛むことが必要なため、消化・吸収が穏やかに進み、
血糖が維持されるため腹持ちがよくなります。
また、インシュリンの分泌をあまり刺激しないとされているので、
余分なエネルギーを皮下やお腹に体脂肪として溜めにくいのです。
 

 

穀類の種類

●玄        米・・・米のもみ殻だけを取り除いたもの。ねかと胚芽が残っているので精白米と比べ、
                        タンパク質やビタミンB1、食物繊維が多い。
●精    米・・・ぬかと胚芽のほとんどを取り除いたもの。食味がよく、魚、肉、野菜ととても合う。
●小        麦・・・100g中炭水化物は70%前後。タンパク質、ビタミンB1、食物繊維が含まれている。
                       玄殻はしょうゆや味噌の原料になるが、ほとんどが小麦粉として利用される。
                       粒の柔らかい軟質小麦は製菓用、粒の固い硬質小麦は製パン用、
                       これらの中間の性質を持つ中間質小麦は製麺用として利用される。
●大        麦・・・100g中炭水化物は70%以上。タンパク質、ビタミンB1、食物繊維が含まれている。
                       米に次ぐ主用な穀物だったが、最近では加工品の原料として使われることが多い。
                       押麦は大麦を消化・吸収をよくするための加工法でビタミンを強化したものが多い。
●とうもろこし・・・ビタミンB1、ビタミンA、食物繊維が含まれている。
                       生の野菜として利用するより、加工品としての需要が多い。

 

 
 
 
 

栄養士    高橋 広海             

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