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NO.89

 

消化と吸収について

'07. 5月号

 

私たち人間は、生命活動し身体の働きを守るために毎日食べ物を摂取しています。
しかし口に入れた食べ物は、そのままでは分子が大きすぎて身体のために働くことはできません。
食べ物が栄養として身体の各組織に運ばれるためには・・・
 
胃や腸などの消化器官によって分解し、変換される⇒「消化」
消化されたものが血液やリンパ液中に取り込まれる⇒「吸収」

という過程をたどります。
口から入るものは、口〜食道〜胃〜小腸〜大腸などで取り入れられて、
老廃物は尿や便となり体外に排泄されます。

 
三大栄養素の消化・吸収
■炭水化物
    糖質と消化されない繊維とがある。穀類や砂糖類の主成分でエネルギー源の役割をする。
    最終的には「ブドウ糖」になり吸収される。
■タンパク質
    身体を構成している成分であり、酵素やホルモンの調節をする。
    最終的には「アミノ酸」になり吸収される。
■脂質
    エネルギー源の役割や細胞膜を構成する。脂溶性ビタミンを吸収するのに欠かせない栄養素である。
    最終的には「脂肪酸」と「グリセリン」になり吸収される。

 
消化・吸収の過程
口(唾液)
  ・口から取り入れられた食べ物は歯によって噛み砕かれて、
    唾液に含まれるアミラーゼという酵素がデンプン(糖質)を麦芽糖に分解する。
    ※食べ物をよく噛んで食べることで、唾液の分泌を促すことができる。
 

  ・食道を通り、胃に食べ物が入ると胃壁から胃液が分泌される。
  ・胃液にはペプシンというタンパク質分解酵素を含み、タンパク質をペプチドに変換させる。
  ・胃液には塩酸が含まれていて、カルシウムを水溶液にして小腸での吸収を助ける働きがある。
 
十二指腸
  ・胆汁と膵液が出される。
 
肝臓
  ・胆汁は肝臓で作られて十二指腸に送られる。
  ・胆汁には、脂肪を小さな粒状にしてそのままでも吸収できるようにする役割がある。
  ・小腸で吸収した栄養素を分解、合成し身体に必要な栄養素に変換したり、蓄えたりする。
  ・化学物質やアルコールなどを分解し、無害な物質にるす。
 
膵臓
  ・膵液は膵臓で作られて、十二指腸に送られる。
  ・膵液には5種類の酵素が含まれていてデンプン、タンパク質、脂質を分解し消化する。
 
小腸
  ・腸液が分泌され、3種類の酵素が含まれていて最終の消化をする。
    デンプン→ブドウ糖    タンパク質→アミノ酸    脂質→脂肪酸、グリセリン
    吸収されれた栄養分は2つの経路を通り全身へ送られる。
    <腸の毛細血管>
      炭水化物・タンパク質・一部の脂質・ミネラル、水溶性ビタミン
    <リンパ管>
      脂質・脂溶性ビタミン
 
大腸
   ・主に水分が吸収される。
 
 

一般的に、口から入った食べ物が各消化器官を完全に通過するのは24〜72時間といわれています。
摂取した食べ物は消化・吸収されてエネルギーとなりますが、食べ物全てが吸収されるわけではありません。
食生活や健康状態により吸収率は変化します。
毎日いろいろな食品を摂り、よく噛んで食べることで吸収率をよくしましょう。 

 

栄養士    高橋 広海             

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