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NO.88

 

朝食の役割

'07. 4月号

 

一日の始まりは朝食からです。
その日の活力の源を作り出すのは朝食です。
朝食、昼食、夕食と1日3回食べることは、ほとんどの国や種族で同じ食習慣だそうです。
しかし厚生労働省の調査によると、朝食を食べない人が年々増加しているようです。

 
朝食を食べない理由として・・・
●食べるよりも、少しでも長く眠っていたい
●朝は食欲がない
●朝は忙しくて、食べる時間がない
●ダイエット中で食べない
などが、多いようです。

 
なぜ、朝食が必要なのでしょうか?
人が朝目覚めた直後は、血糖値が低く、内臓や神経、脳の働きが低下した状態です。
目覚めたときにボーッとしているのは、そのせいです。
こうした状態を正常に戻し、意識をしっかりして身体を身体を目覚めさせる役割をするのが、朝食です。
 
■1日の食生活のリズムをつくる!
■低下した体温を上昇させて、身体を目覚めさせる!

   睡眠中に下がった体温を高めることで、体や脳の温度も上がり、活性化させます。
■活動エネルギーを送る!
   朝食によるエネルギーの供給を欠かすと、だるい、疲れやすいなどの状態になります。
■脳のエネルギーを作り出す!
   脳は寝ている間にも活動しています。朝目覚めるころには、エネルギーは空の状態です。
   朝食を食べないと脳にエネルギーが送られないため、
   仕事や勉強の効率があがらない、集中力に欠ける、などが起こります。
■ホルモンや酵素の分泌を促進し、生体リズムを整える!
   消化液などの分泌も高まり、消化器官が活発になり、食後に排便をも促す働きがあります。
■たくさんの栄養が摂れる!
    1日2食で、栄養素をバランスよく摂るのは難しいことです。

 
朝食抜きでダイエットは?
朝食を食べないとエネルギー不足になり、筋肉が落ち基礎代謝量が減ります。
体はそのあとの食事でエネルギーを得るまで、消費しないで脂肪分として蓄積します。
そのため、逆に太りやすい体質になります。朝食を食べないでダイエット効果は望めないでしょう。

 
どんな朝食がよいのか・・・
■「穀類」は必ず食べよう!
   穀類とは、ごはん、パンのことです。主成分の糖質が、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。
   グリコーゲンにブドウ糖に変換し、脳や神経、赤血球のエネルギー源になります。
   ブドウ糖は、人間の脳を働かせる唯一のエネルギー源です。
   食欲のないときは、おかゆやうどんなどがよいでしょう。
 
■タンパク質を摂ろう!
   タンパク質は体温の上昇に効果的です。
   炭水化物の3倍、脂肪の5倍もの体熱生産力があるといわれています。
   体温が上昇すると、血液にめぐりがよくなり体にエネルギーが運べれます。
   牛乳、乳製品、卵、魚類、肉類、大豆製品を1品以上は食べましょう。
 
■コップ1杯の牛乳を飲もう!
   牛乳は、タンパク質はもちろんのこと、カルシウムやビタミン類、脂肪がバランス良く含まれている飲み物です。
   牛乳は小魚や野菜より吸収率がよく、また脂肪分がスタミナ源となります。

 

 
朝食を食べないということは、ガス欠のまま身体や脳を無理に使っている状態です。
朝、お腹がすいて目覚め、「いただきます」でおいしく朝食を食べることを習慣にするのが大切です。

 

栄養士    高橋 広海             

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