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NO.85

 

食中毒の原因

'07. 1月号

 

冬場(12月〜3月)は、細菌性食中毒が多く発生するといわれています。
最近では「ノロウイルス」の発症がとても多いようです。
食中毒は集団感染だけではなく、
家庭におきても十分起こり得ることですのできちんと予防、対処をしていく必要があります。

 
 
ノロウイルス
汚染された食品を食べた場合や、人から人への感染があります。
潜伏期間は約30時間で、下痢や嘔吐の症状がでるようです。
原因は生カキなどの貝類からと言われていますが、これらを調理で扱う場合に気をつけていれば、
食中毒は起こることはないので以下のことに注意しましょう。
 
○流通しているカキには「生食用」と「加工用」があります。
   「加工用」は必ず加熱調理をしましょう。
   「生食用」でも一度開封したものは必ず加熱調理をしましょう。
○加熱は中心部まできちんと加熱。85度、1分以上!
   カキフライや鍋物はきちんと加熱してあります。
○調理する前やカキを触ったあとはすぐに手を洗いましょう。


その他の食中毒
<サルモネラ菌>
鶏、豚、牛などの動物の腸管に分布しており、サルモネラに感染されている肉や卵が原因。
 
<病原性大腸菌>
土壌、下水、動物や人間の便など自然界に広く分布しており、
糞便に汚染された食肉の二次感染によりあらゆる食品が原因。
 
<腸炎ビブリオ>
魚介類、海水程度の塩分(約3%)を好み、
魚介類の刺身やお寿司類、二次感染された野菜の一夜漬けなどが原因。
 
<黄色ブドウ球菌>
化膿キズ、鼻腔、喉、皮膚、腸管などに分布しており、穀類やその加工品に多い。
 
<ウェルシュ菌>
水、土壌、特に食肉に分布しており、肉類、魚介類、野菜が原因。

 
食中毒予防のポイント
【食品の扱い方】
●肉、魚、卵、野菜などの生鮮食品は、新鮮なものを使うこと。
●肉、野菜、卵を扱うときは、その前後に必ず石鹸で手を洗い、流水でよく流すこと。
●魚介類は調理前に水道水(真水)でよく洗い流すこと。
●食品に消費期限の表示があるものはきちんと確認すること。
●肉や魚を購入したときは、肉汁や魚の血や水分などが漏れないよう、ビニール袋に入れること。
●温度管理の必要な食品はすぐに冷蔵庫、冷凍庫にいれること。
   (冷蔵庫10度以下、冷凍庫マイナス15度以下)
 
【調理器具の扱い方】
●肉、魚などを切った包丁やまな板は必ず洗ってから他の食品を切ること。
   まな板は生食用と、その他食品のものに分けるとより安全。
●包丁、まな板、食器、布巾、スポンジ、たわしは洗剤で洗い、十分に水で流すこと。
●熱湯消毒をすること。
 
【調理の注意点】
●加熱調理を行うことで食中毒の菌を殺菌することができる。
   目安は中心部が75度、1分以上の加熱!
●調理中に中断するときは、室内にそのまま置いておかないで冷蔵庫にいれること。
●加熱調理したものは、できるだけ早く食べること。
●一度に大量の米飯や麺類を作り置きせず、必要量だけを調理すること。
●残った食品を保存するときは清潔な容器に小分けして、十分冷ましてから冷蔵庫や冷凍庫に保存すること。
●残った食品を温める場合も75度以上を目安に。汁物は沸騰させること。
 
※調理の前は必ず手指を洗浄、消毒し、途中トイレや鼻をかんだ場合でも手を洗いましょう。
   また、下痢や嘔吐の症状がある場合は調理を避けた方が安全と言えるでしょう。

     

 

栄養士    高橋 広海             

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