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NO.81

 

果物の力

'06. 9月号

 

手にとって簡単に食べられる果物は、昔から人間にとって手軽に摂れる栄養源です。
ところが現在日本では果物の摂取量が低下しているといわれていて、
1日に1度も果物を食べない人も少なくないようです。
その理由として「果物の甘味やカロリーが気になる」「外食・偏食傾向がある」「面倒くさい」などがあるようです。
しかし、果物にはカロリーは少なく脂肪分もほとんど含まれず、
また果物に含まれる糖質はエネルギーとして変換されやすいのです。
果物はビタミンやミネラルは豊富で、植物繊維や体に必要な酵素も多く含まれています。
昔から「朝の果物は金」といわれています。
胃腸の働きが十分ではない朝に果物を食べると胃腸は活発に働き消化吸収もよくなります。
食欲の出ない朝でも果物を食べることによって体や脳が活性化しますので、
手軽に摂れる果物をぜひ、食べるようにしましょう。
自然にさわやかな香りや甘さ、酸っぱさを感じられる果物を1日200gは食べるようにしたいものです。

 
 
果物に含まれる主な栄養素
【ビタミンC】
美肌効果・コラーゲンの生成を助ける・カゼ予防・がん予防・抗酸化作用
 
【ビタミンA】=βカロチンという形で含まれる。
皮膚や粘膜を健やかに保つ・目の乾燥や疲れを予防・がん予防・免疫力向上
 
【食物繊維】
便秘予防・がん予防・悪玉コレステロール低下・善玉細菌の発育促進

 
 
果物別栄養価
アボガド
「森のバター」と呼ばれるほど栄養価の高い果物です。
アボガドは脂肪分も含まれますが、その80%は動脈硬化などを予防するオレイン酸で、
血中コレステロールを減少させる働きがあります。
良質のアミノ酸であるトリポトファンやリジンが含まれます。
またビタミンE、ビタミンCが豊富なので抗酸化作用やがん予防、ボケ防止や、
さらにシミやソバカスなどを予防し美肌効果があります。
 
◆りんご
アップルペクチンという食物繊維が含まれていて、整腸作用や大腸がん予防に有効とされています。
またコレステロールを減少させる働きがあります。
 
◆柿
主成分が糖質ですぐにエネルギーに変換されます。
またビタミンCが豊富で、大きな柿なら1日の所要量が摂取できます。
さらにアルコールを分解する酵素やカルウムが豊富に含まれるので利尿作用もあり、
お酒を飲んだあとや二日酔いにもよいでしょう。
 
◆いちご
ビタミンCが豊富で、レモンの約2倍、つまり5〜6粒で1日の所要量が摂取できます。
食物繊維やカリウムも含まれます。
 
◆バナナ
バナナの主成分は糖質で、特に完熟バナナは消化吸収もよく、主食代わりにもなります。
クエン酸とビタミンB2が含まれていて疲労回復の働きがあります。
カリウムも多く含まれ、またペクチンとオリゴ糖が便秘予防に役立ちます。
また胃を刺激する酸がないため、胃腸の弱い人などにもよいでしょう。
 
◆パイナップル
パイナップルの主成分は糖質ですが、マグネシウムや銅も含まれています。
またクエン酸、リンゴ糖なども含まれていて食欲増進作用があり消化吸収を助けます。
さらにプロメリンというタンパク質分解酵素が含まれています。
肉を柔らかくする働きがあるため肉料理に使われます。
プロメリンには腸内の腐敗物を分解する働きがあり下痢や消化不良、ガス発生にも有効とされています。
胃腸の弱い人は食べ過ぎないようにしましょう。
 
◆ブドウ
主成分は糖質でブドウ糖と果糖です。ブドウ糖は最初、ブドウから発見されました。
体内で吸収されやすくエネルギーになりやすいので、脳や体の疲労回復などに役立ちます。
 
◆梨
成分の90%が水分です。体の熱を冷ましたり口や喉の渇きを潤すのには最適な果物です。
酸味が少なく水分が多いのでカゼなどの水分補給にはもってこいです。
またタンパク質分解酵素やカリウムも含みます。
 
◆キウイフルーツ
ビタミンCが豊富で、1個で1日の所要量が摂取できます。
キウイの皮の近くにはアクチニジンという成分を含み、肉類などの消化を助ける働きがあります。
またカリウムなども含まれるので高血圧予防やむくみ改善にもよいでしょう。

     

 

 

栄養士    高橋 広海             

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