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NO.79

 

ミネラルを知ろう

'06. 7月号

 

人間の体内には元素が存在しますが、
水素・炭素・窒素・酸素を除いた元素のことをミネラル(無機質)といいます。
体内にある元素のうち約4%がミネラルですが、
ビタミンと同様に体内で合成することができないので食品から摂取しなければなりません。

 
 
ミネラルの種類
必須ミネラルは16種類あります。
体内に比較的多く存在するのは、カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウムなどです。
そして比較的少ないのが鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・マンガン・セレンなどです。
これらは必須微量元素と呼ばれています。

 
 
ミネラルの働き
☆骨や菌の構成成分
☆血液・ホルモンの構成成分
☆酵素の代謝を助ける
☆浸透圧の調節、酸・アルカリの中和

 
 
ミネラル不足
ビタミンと違いミネラルは相互にバランスをとって働いているので、欠乏症が起こりやすいと言われています。
カルシウム不足からくる「骨粗鬆症」や鉄分不足からくる「貧血」などがよく知られています。
ミネラル不足の原因としは、偏食や加工食品などからくるのですが、
それと同時にミネラルは体内に吸収されにくいということも挙げられます。
例えば、カルシウムなら牛乳で約50%、小魚約30%、ほうれん草約10%の割合でしか吸収されません。
鉄にいたっては、牛レバーでも約20%の吸収率です。
また、女性は特にミネラル不足に注意しなければなりません。
生理では鉄がたくさん失われ、更年期では骨のカルシウムが急激に減少されます。
ダイエットなどで食事のバランスが乱れることのミネラル不足の原因です。

 
 
主なミネラルについて
カルシウム【元素記号 Ca】
所要量の目安⇒約600〜700r/日
カルシウムはビタミンDといっしょに摂取すると吸収率が上がります。
◎骨密度を高め、丈夫な骨や歯を形成する
◎神経伝達に関係している。興奮や緊張を抑え、神経の苛立ちを抑える
◎筋肉の収縮や血液凝固作用があり、心筋梗塞や動脈硬化の予防に役立つ
 
マグネシウム【元素記号 Mg】
所要量の目安⇒270〜370r/日
お酒を大量に飲むと、尿と一緒に排泄されやすいのでマグネシウムは積極的に摂取しましょう。
◎カルシウムとともに骨や歯を形成する
◎刺激による神経や筋肉の興奮を抑える
◎浸透圧を調整する
 
カリウム【元素記号 K】
所要量の目安⇒約2000r/日
水分の摂り過ぎで尿の量が増えるとカリウムも排泄されてしまうので十分に積極的に摂取しましょう。
◎血圧を正常に保つ
◎カルシウムやナトリウムとともに神経や筋肉の機能を正常に保つ
 
リン【元素記号 P】
所要量の目安⇒約700r/日
リンの80%はリン酸カルシウムとして骨や菌の形成をしています。
リンは加工食品の添加物や清涼飲料水の保存料に使用されているので、過剰に摂取しているといわれています。
リンとカルシウムの血中バランスは3:7が理想です。
これを超えると骨に蓄えられたカルシウムが血中に流れ出て、カルシウム不足になってしまいます。
◎骨や菌の形成・発育に役立つ
◎神経の回復を助ける
◎各細胞の生命維持に役たつ
◎血液中の酸やアルカリを中和する
 
ナトリウム【元素記号 Na】
所要量の目安⇒塩分8〜10g以下/日
カリウムを多く摂取すると余分なナトリウムを排泄するので過剰摂取を予防できます。
塩分を摂りすぎるのと高血圧などの生活習慣病の原因となります。
日本人は醤油や味噌などから過多の傾向があるので気をつけましょう。
◎細胞外液に多く含まれていて、浸透圧を調整する
 
鉄【元素記号 Fe】
食品によって吸収率が違うが、動物性食品からでも15〜20%となります。
ビタミンCやたんぱく質と一緒に吸収することで吸収を高めることができます。
◎ヘモグロビンを生成する
◎血液を運搬する

     

 

 

栄養士    高橋 広海             

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