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NO.77

 

たんぱく質を知ろう

'06. 5月号

 

たんぱく質は人間の体に必要不可欠な3大栄養素の1つです。
たんぱく質のことを英語では「プロテイン」といいますが、これはギリシャ語の「第一の」という意味の語源です。
たんぱく質は体重の約20%を占めていて水分の次に多い物質で、
皮膚や筋肉、骨、血液、毛髪、爪、臓器など人間の体の構成成分です。
また酵素や神経伝達物質もたんぱく質から作られています。
人間の体にはおよそ10万種類ものたんぱく質が存在しますが、
これらはたった約20種類のアミノ酸が結合してできているのです。

 
 
アミノ酸
アミノ酸は約20種類ありますが、
そのうち9種類は人間の体では作ることができないので食品から摂取しなければなりません。
この9種類を「必須アミノ酸」といいます。
必須アミノ酸はどれか1つ欠けても、骨や血液などを作り出すのに必要なたんぱく質を合成することはできません。
食品に含まれるアミノ酸の量は「アミノ酸スコア」が高いほど、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
 
※アミノ酸スコア・・・人間の体にとって理想的な必須アミノ酸の量や組み合わせを想定しそれを基準として
                            それぞれの食品の必須アミノ酸のバランスを評価し点数化したもの。
 
鶏卵、牛乳、鶏肉、豚肉、あじ、いわし、さんまなどはアミノ酸スコアは100となり良質なたんぱく質と示されて、
動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが高いのです。
しかし動物性たんぱく質を多く含む食品は、脂肪も多く含まれるものが多いのです。
ですから植物性たんぱく質を上手に組み合わせて摂ることで、
バランスのよいたんぱく質を効率よく摂取できるでしょう。
植物性たんぱく質は、大豆や大豆加工製品などです。
 
<アミノ酸の働き>
○体力向上
○脂肪燃焼
○肌再生
○集中力向上
○免疫力向上

 
 
コラーゲン
美容などで知られる、たんぱく質コラーゲンです。
たんぱく質の約30%を占めていて、皮膚や骨などを作っています。
コラーゲンはビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内で合成されやすくなります。

 
 
ダイエットとたんぱく質
ダイエットをすると、肉を食べないなどたんぱく質の摂取を控える場合が多いようですが、これではいけません。
たんぱく質は体を動かす筋肉の主成分です。
たんぱく質が不足すると筋肉量も減少し、基礎代謝量が少なくなります。
そうすると「太りやすく痩せにくい体質」になるといわれています。
また、たんぱく質は糖質や脂質と同様にエネルギー源としても使われ、1gで4キロカロリーのエネルギーとなります。
 
≪1日に必要なたんぱく質の量≫
約 1.1g/体重 1g
⇒つまり体重 50sの人は、約 55gが必要量となります。
 
たんぱく質の摂りすぎ・・・肥満や痛風の原因になる
たんぱく質の不足・・・・・・筋肉減少、体力・スタミナ低下、発育不足、貧血、月経異常、肌がカサカサになる、
                                     ウイルスや細菌による抵抗力や免疫力の低下、老化が進みやすい、
                                     記憶力や思考力の低下など

 
 

たんぱく質を多く含む食品
  ・牛肉脂身なし薄切り肉2枚100g・・・17.9g
  ・豚肉脂身なし薄切り肉2枚100g・・・19.7g
  ・若鶏胸肉皮なし1枚170g・・・・・・・・37.9g
  ・鶏ささみ1本40g・・・・・・・・・・・・・・・・9.8g
  ・あじ1尾80g・・・・・・・・・・・・・・・・・・16.5g
  ・いわし1尾100g・・・・・・・・・・・・・・・・9.9g
  ・さんま1尾150g・・・・・・・・・・・・・・・19.4g
  ・鶏卵Mサイズ1個60g・・・・・・・・・・・・6.3g
  ・納豆1パック100g・・・・・・・・・・・・・・16.5g
  ・木綿豆腐1/3丁100g・・・・・・・・・・・・6.6g
  ・牛乳コップ1杯200ml・・・・・・・・・・・・6.9g
   ・ヨーグルト100g・・・・・・・・・・・・・・・・・3.6g

    

 

 

栄養士    高橋 広海             

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