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NO.76

 

糖質を知ろう

'06. 4月号

 

糖質は主に体のエネルギーとなる大切な栄養素です。
ほとんどの糖質(C)と水(H2O)で結合したようにみえるため「炭水化物」とも呼ばれます。
糖質には、最も簡単な構造をしている単糖類<ブドウ糖、果糖>、
単糖類が2つ結合した二糖類<庶糖(砂糖)、麦芽糖、乳糖>、
さらにいくつもの単糖類が重なった多糖類<でんぷん、グリコーゲン>の3種類があります。
糖質は分子の小さい単糖類に分解されて、小腸から吸収されて肝臓に入り、
多くはグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、残りはブドウ糖として血液に入り、全身の細胞に送られて利用されます。

 
 
糖質の働き
●人間の体の主要なエネルギー源
   糖質1g中に約4`カロリーのエネルギーを作り出します。
   これが脂質の9`カロリーに比べると劣るようですが、糖質は燃焼のスピードが速く、速効性があります。
   疲れたときに甘いものが食べたくなるのは、体が糖質を求めているからです。
 
●脳の唯一のエネルギー源
   糖質のブドウ糖だけが、脳や神経系、血球のエネルギー源となります。
 
●人間の体温を保つ
   人間が体温(平熱)を一定に保つにはたくさんのエネルギーが必要ですが、糖質はこのエネルギー源になります。

 
 
ダイエットと糖質
糖質は摂り過ぎぎると体脂肪として貯蓄されるので肥満の原因になります。
しかし主食抜きダイエットなどで糖質を摂らない状態が続くと脳にエネルギーがいかなくなり、
また不足を補うために肝臓に蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に分解するので肝臓の解毒作用が低下して、
肌荒れの原因になるようです。また病気に対する抵抗力も弱くなり、疲れやすくなります。
主食抜きダイエットは度が過ぎないようにしましょう。糖質を控えるのなら「エンプティ・カロリー」で!
※エンプティ・カロリー=炭酸飲料やお菓子など、糖質が多く含まれるが他の栄養価が低い食品のこと

 
 
糖質と血糖値
血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を血糖値といいます。
普通、ブドウ糖の濃度は、空腹時 70〜80r/㎗(100t)・食後 160r/㎗(100t)に保たれています。
 
吸収率が早い糖質・・・・・ブドウ糖・庶糖・果糖→甘いお菓子、炭酸飲料、果物、砂糖
吸収がゆっくりな糖質・・・でんぷん→ごはん、パン、麺類、いも類

ごはんやパンなどは、でんぷん〜麦芽糖〜ブドウ糖と分解されるためゆっくり体内で吸収されます。
それに比べお菓子や炭酸飲料などはすぐに吸収されるため、過剰に摂取すると急激に血糖値が上がります。
血糖値が高い状態が続くと、血液がドロドロになります。また糖尿病の原因になります。
 
≪1日に必要な糖質の量≫
1日に必要なエネルギーの55〜60%

つまり、2000`カロリー必要な人で1100`カロリー以上を糖質から摂取しなければなりません。
その量は約280〜300gです。1日の食事からみると、
ごはん3膳、いも類2個、果物1個、お菓子小さめ1個という具合です。
ダイエット中でも1日100〜150gは摂取しましょう。
また、糖質はビタミンB1と一緒に摂取することで効率よく利用されます!

 
 
糖質を多く含む食品

   ・ごはんお茶碗1杯150g・・・・・・・・55.7g
   ・食パン6枚切り1枚60g・・・・・・・・28.0g
   ・うどん1玉240g・・・・・・・・・・・・・・51.8g
   ・中華麺1玉1200g・・・・・・・・・・・・66.8g
   ・そば1玉170g・・・・・・・・・・・・・・・44.2g
   ・スパゲッティ1人分100g・・・・・・・72.2g
   ・さつまいも1/2本100g・・・・・・・・・31.5g
   ・いよかん1個250g・・・・・・・・・・・・17.7g
   ・みかん1個100g・・・・・・・・・・・・・・9.6g
   ・りんご中1個250g・・・・・・・・・・・・31.1g

    

 

 

栄養士    高橋 広海             

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