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NO.61

 

体の老化を遅らせるために

'05. 1月号

 

人間は歳をとるにつれ「老化」は必ず起こります。
人間の老化は「生理的老化」と「病的老化」の2種類があります。
「生理的老化」は視力の衰えや耳が遠くなる、白髪や頭髪の薄れ、シミやシワが増える・・・
というように目に見える老化と、
体重や脳、筋肉、骨密度が減少する、血管がもろくなる、内臓機能が低下する・・・
というような状態で誰にでも起こりうる老化現象です。
「病的老化」は高血圧、動脈硬化、骨粗鬆症などです。できるだけ老化現象を遅らせ、
かつ病的老化を防ぐために食事や栄養のあり方について気をつけていかなければならないでしょう。
 

 
タンパク質
タンパク質は人間の体を構造しています。筋肉、内臓などに重要な栄養素です。
また、血管壁を強くしてしなやかに保ちます。良質のタンパク質を摂取しましょう。
良質のタンパク質にはタウリン、メチオニンなどのアミノ酸が含まれていて血圧を下げる働きをしています。
肉、魚、卵、乳製品の動物性タンパク質と豆類、大豆製品などの植物性タンパク質をバランスよく摂っていきましょう。

 
 

ビタミン・ミネラル
老化を遅らせるために必要なビタミンは?
 
◆ビタミンA
体の老化の原因となる過酸化脂質を排除させる働きがあります。
 
◆ビタミンC
細胞と細胞の間にある組織を強くしたり動脈硬化を防ぐ働きがあります。
 
◆ビタミンE
細胞の酸化を防ぐ働きによって細胞の老化を遅らせます。血液の流れをよくし血栓を防ぎます。
 
◆カルシウム
歳をとるとホルモンのバランスが崩れたり、内蔵機能が低下しカルシウムの吸収が悪くなることによって、
骨からカルシウムが溶け出すようになってしまいます。これが骨の老化の「骨粗鬆症」です。
また歯を形成しているのもカルシウムなので不足すると歯がもろくなります。
骨粗鬆症を予防するためには積極的にカルシウム摂取をしましょう。
一番体内に吸収されやすい食品は牛乳です。1日コップ2杯は飲むようにしたいものです。
 
◆カリウム
カリウムは体内の血液に役立つ栄養素で高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。新鮮な野菜に含まれています。

 
 
 
食物繊維
食物繊維は高血圧、便秘の改善、大腸がんの予防に役立ちます。
また食塩(ナトリウム)を体外へ排泄する働きがあります。
そして、衰えた腸の運動を刺激し活発に運動させます。
野菜やキノコ、海草類に多く含まれています。

 
 
減塩
食塩の摂り過ぎは高血圧を引き起こし老化の速度を上げます。
食塩は1日10g以下にします。酢や香辛料を上手に使いましょう。
また、薄味に慣れましょう。舌には味を感じる未蕾という細胞がありますが老化によりこの数は減少し、
味覚も変化し、味に対する感覚も低下してしまい、どんどん濃い味付けになる傾向があるようです。
これによって高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしてしまいます。
 

 

 

 

栄養士    高橋 広海             

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