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NO.38

 

毎冬の食中毒に気をつけよう

'03. 2月号

 

食中毒は夏場だけに発生するとは限らず、暖房機器の普及などにより1〜3月の寒い時期にも発生します。
最近特に注目されているのが、小型球形ウイルス(SRSV)という食中毒で、生カキなどから発生します。
昨年、SRSVは食中毒全体の約3割を占め患者数でみると原因のトップになっています。
SRSVにはいくつかの種類があり電子顕微鏡で観察すると小さな球形の構造をしています。
 
SRSV
●ウイルスの感染によって起こる食中毒
●カキなどの生の食品から感染
●集団感染がよくみられる
   感染すると…潜伏期間は1〜2日、主な症状は下痢や嘔吐、腹痛、発熱などで
                     症状は1〜3日で回復するといわれています。
                     原因食材は2枚貝が主で、特にカキやアサリ、ホタテなどです。
                     85度以上、1分間の加熱で菌は死滅します。

【 その他の食中毒 】
サルモネラ菌…

感染源は鶏卵や食肉。わずかな菌でも感染する。十分に加熱をすること。

腸炎ビブリオ… 感染源は生鮮魚介類。高温や低温に弱く、また真水に弱いので十分な水洗いをすること。
病原性大腸菌… 人や動物の腸管内に存在し一部の大腸菌が病原性を持って起こす。
生肉は避け、75度以上1分間の加熱をすること。
カンピロバクター… 感染源は鶏や豚。10度以下の低温でも長時間生きていられるが乾燥に弱いので60度1分間の加熱で菌は死滅する。
黄色ブドウ球菌…

感染源は手指の化膿。高温多湿のところで菌は増殖し毒素を作る。
熱や乾燥にも強いので注意が必要。

 
 
SRSVによる食中毒を防ぐために
●カキなどの二枚貝は避け、中心部まで十分加熱する(中心温度85度以上で1分以上)
●加熱用のカキは絶対に生で食べない
●下ごしらえするまな板、包丁、ふきんなどは専用とし、使用後は十分に洗浄・消毒する
●調理前、食事の前、トイレの後は手指をきれいに洗浄・消毒する
●下痢などの症状があるときは、食品を扱わない

読売新聞  平成14年12月 8日より     

 
 
食中毒予防の三原則
食中毒は体力や抵抗力の弱い小児や高齢者が起こりやすいです。食中毒を起こさないためには…
@菌を付けない
A菌を増やさない
B殺菌する

これを基本とします。
また、人から人への感染する場合もあるので吐いた物や便の始末にも注意することが大切です。

 
 

※ここにも注意しましょう※
まな板・ふきん・包丁(包丁の柄の部分も注意!)
食器洗浄用のスポンジ・水道の蛇口・三角コーナー・冷蔵庫の取ってや扉。

 

栄養士    高橋 広海             

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