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NO.36

 

毎日の食事からみる栄養W

'02.12月号

 

魚介類について
海に囲まれた島国である日本では、魚を中心とした食文化をつくり上げてきました。
魚は肉と並ぶ動物性タンパク質です。魚介類とは、魚にタコ、イカ(頭足類)とカニ、エビ(甲殻類)、
貝などを含めたものです。魚には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンを多く含みます。
また、ビタミンB2、カルシウム、リン、鉄分まどを含みます。
貝類には、カルシウム、鉄分、うまみ成分のグリコーゲン(糖の一種)、
そしてアミノ酸の一種であるタウリンが含まれています。
タウリンには血清コレステロール値を下げる働きがあるといわれています。

【 EPA・DHA 】
魚の脂肪には、EPA(エイコサペンタエン酸)と
DHA(ドコサヘキサエン酸)という不飽和脂肪酸が多く含まれています。
 
●EPA⇒血液中に入ると血管の中で血液凝固を防ぐ働き。血液の流れを正常に保つ。
            心筋梗塞や脳梗塞のような動脈硬化などの生活習慣病の予防になる。
●DHA⇒神経機能に関係があるといわれている。
            脳の組織の脂質中に多く含まれていて脳の働きを活性、また視力にも関係しているといわれている。
            DHAは背が青く光っている魚(いわし、さば、まぐろ、ぶり、さんま、にしん、あじ、かつおなど)、
            特にまぐろの眼球の後ろの組織の脂肪に多く含まれています。
※これらの脂肪は空気に触れると酸化しやすいので魚が新鮮なうちに食べましょう。
 
【 カルシウム 】
カルシウムが多く含まれているのは「小魚」です。
しらす、じゃこ、さくらえびなどは殻や骨までまるごと食べられるのでカルシウムがとれも豊富です。
また、魚の身の部分にもカルシウムは含まれています。
身は良質なタンパク質やビタミンDも豊富でこれらがカルシウムの吸収をよくします。
特に身の部分にカルシウムを多く含んでいるのは、あゆ、さんま、こはだ、たら、にしん、うなぎ、めばるなどです。
 
【 鉄分 】
魚の身や血合いの部分には、鉄とタンパク質が結びついたヘモグロビン(血色素)が多く含まれています。
鉄は吸収されにくい成分ですが魚や肉などの動物性食品に含まれる鉄は
「ヘム鉄」といわれるもので20〜30%が吸収されます。
(野菜や海草に多い「非ヘム鉄」は5%の吸収)鉄の吸収はタンパク質やビタミンCを一緒に摂取することで
吸収率が上がります。かつお、まぐろ、いわし、さばなどに特に多く含まれています。
 

     

魚には生活習慣病を予防し健康を維持するために必要な成分が豊富に含まれています。
ところが日本人が摂取するタンパク質の内容は、
かつての魚中心から肉や乳製品による摂取の多い食生活になっているようです。
魚を食べるときは、鮮度の良い旬の魚を選びましょう。

 

栄養士    高橋 広海             

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