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NO.24

 

生活習慣病を防ぐ 〜高血圧〜

'01.12月号

 

高血圧とは
人間の血液は心臓から血管を通って抹消細胞へ運ばれます。
このとき、動脈の壁に圧力がかかりますが、これを血圧といいます。
血圧は心臓の収縮力と血管の抵抗で決まります。
『高血圧』とは、必要以上に動脈の壁に圧力がかかっている場合をいいます。
高血圧が続くと、動脈の内膜が厚くなり、表面の細胞が傷つきます。
そこに血液中のいろいろな成分が沈着するので血管壁は厚くなり、弾力がなくなってしまいます。
これを『動脈硬化』といい、コレステロールや中性脂肪が多いと動脈硬化はひどくなります。
動脈硬化が進むと血流が悪くなり、さらに血圧が上昇します。
また、血栓が生じやすくなり、各臓器に十分な栄養が行き届かなくなってしまいます。
○心臓…心不全  狭心症  心筋梗塞
○脳……脳動脈硬化  脳卒中
○腎臓…腎不全 尿毒症
 

 
高血圧と食生活
高血圧の発症は様々な要因があるといわれえていますが、第一に食生活との関係が挙げられます。
高血圧を予防、治療していく上で適正な食生活習慣を続けなければなりません。
血圧を上昇させる成分を制限し、低下作用をもつ成分を増やします。
また、血圧を上昇させないような食べ方に改めることが大切です。

@塩分の過剰摂取を避けましょう
体内の塩分(ナトリウム)の濃度は一定に保たれていますが、
摂取する塩分が多いとナトリウムの濃度が濃くならないようにう体内の血液量が増加します。
また、ナトリウムは水分とともに血管壁の細胞に入り込み、血管をふくれさせて血管の抵抗を高めます。
これによって血圧は上昇します。もともと日本人は日常的に醤油や味噌を多く使い、
しかも加工食品や調理済みの食品を多く利用する人が増えたため、塩分の摂取量は増えています。
 
塩分は6〜8g/日を目安にします

漬物、塩蔵類、汁物、加工食品などをなるべく控え、
調味料は食塩や醤油、味噌をできるだけ抑えたおいしい減塩食を作りましょう。

※ 塩分およそ1gに相当する調味料の量 ※

●塩…小さじ1/5(1g)             ●濃口醤油…小さじ1(6g)     ●薄口醤油…小さじ1強(7g)
●減塩醤油…小さじ2(10g)     ●味噌…大さじ1(16g)
●減塩味噌…大さじ1、小さじ1(20g)                ●トマトケチャップ…大さじ1、小さじ2(30g)
●ウスターソース…小さじ2(12g)                     ●マヨネーズ…大さじ2、小さじ2(40g)
※薄味にするには、だしの旨みや酸味を生かす、油のコクを生かす、香味野菜を使うなど調理に工夫をしましょう。

 
A摂取エネルギーを制限しましょう
カロリーオーバーになり、肥満になると呼応血圧が発症しやすくなります。
標準体重を20%超えると高血圧が生じる危険性は2倍になるといわれています。
肥満の解消は、他の生活習慣病の予防にもなります。
 
B良質のたんぱく質を摂取しましょう
たんぱく質は丈夫な血管や臓器を形成するのに必要です。
たんぱく質を十分に摂取すると、食塩による血圧上昇を抑えることができます。
肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と大豆、豆製品の植物性たんぱく質をまんべんなく摂取するようにします。
 
Cカリウム、カルシウム、マグネシウムを摂取しましょう
これらのミネラルは、食塩のナトリウムを排泄する働きを持っています。
カリウム(K)…………新鮮な野菜や果物に多く含まれています。水に溶けやすいので生で食べると良いでしょう
カルシウム(Ca)……牛乳、乳製品、豆腐、緑黄色野菜
マグネシウム(Ma)…玄米、魚貝類、牛乳
 
D食物繊維を摂取しましょう
食物繊維の中でも特に果物や海藻類に含まれている水溶性の食物繊維は、
ナトリウムを排泄する働きを持っています。
 
Eお酒、タバコは控えめにしましょう
アルコールは適量ならば血圧に影響はしないようですが、それ以上になると血圧を上昇させてしまいます。
また、カロリーにも注意しなければなりません。タバコは血管を収縮させるので、血圧が上がります。

 

 

栄養士    高橋 広海             

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