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NO.23

 

ビタミンE 〜老化防止ビタミンといわれる理由〜

'01.11月号

 

ビタミンEと老化
人間には「老化」という現象が起こります。
誰しもがこの老化を少しでも克服したいと願うものではないでしょうか。
人間は酸素がなくては生きてはいけませんが、実は酸素が老化を進める一因となっています。
人間の体は酸素を利用して、体内の栄養素を燃やしてエネルギーを得ていますが、
体内に取り入れる酸素の量が多すぎたり、酸素の活性が高まると(活性酸素)、『過酸化脂質』という、
いわば体のサビができます。
過酸化脂質は細胞内にできやすく、細胞の働きを低下させてしまいます。
これが、老化です。そこで登場するのが、ビタミンEです。ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、
「老化防止ビタミン」と呼ばれて、細胞の老化を予防する働きがあります。
この働きにより、血管の老化が原因となる、
動脈硬化やアルツハイマー型痴呆、心臓病、白内障、癌の予防に役立ちます。
また、血管の粘膜を下げ、血管壁を強化し、
血管をしなやかにする働きがるので手足のしびれや肌のシミなどを予防します。
さらに、ビタミンEを皮膚に塗布すると、抗酸化作用によって紫外線による障害を予防し、
皮膚を保護するという働きもあります。
 

 
ビタミンE、C、Aは一緒に摂取すると効力アップ
ビタミンEに、ビタミンCビタミンA(β‐カロチン)が加わると『抗酸化ビタミン』と呼ばれ、
より相乗的な効果が得られます。これらは酸化を抑える作用がるので、
お互いに酸化による変質を予防しながら働きを補います。

[ビタミンC]
○抗酸化作用があり、老化や発癌の防止に役立つ
○コラーゲンの生成を進める、メラニン色素の生成を抑える
○不足で抵抗力が落ちる
[ビタミンA]

○皮膚や粘膜を正常に保つ
○抗酸化作用がる
 

  
ビタミンEについて
{特徴}
◎脂溶性ビタミン
◎体内では筋肉や心臓など脂質の多い組織に貯蔵される
◎1日の所要量は成人男性で10r、成人女性で 8r、
   ただし油分の多いインスタント食品や加工食品を多く食べているときは、20rは摂取したほうがよいとされる
◎過剰症は、600rまでは問題ないとされる
◎摂取量の60〜70%は便で排泄される
◎ビタミンCの酸化を防ぎ、同時にビタミンAの効力を高める
 
{作用}
◎抗酸化作用があり、老化物質(過酸化脂質)ができるのを防ぐ
◎血行をよくし、新陳代謝を促す
◎生殖機能を正常に保ち、不妊や流産を防ぐ
 
{欠乏症}
◎皮膚の抵抗力が低下する…シミ・そばかす、乾燥しやすくなる、しもやけができやすくなる
◎赤血球の寿命が短くなったりする
 
{多く含んでいる自然食品}
●植物油(大さじ1)
・ヒマワリ油…5.5r         ・サフラワー油…3.8r     ・とうもろこし湯…2.9r
・調合サラダ油…2.3r     ・大豆油…2.1r             ・オリーブ油…1.1r
●小麦胚芽(10g)…2.9r               ●卵黄(1個分20g)…0.6r
●あこうだい(1切れ80g)…2.7r      ●かつお(1切れ100g)…1.2r
●さんま(1尾150g)…1.9r             ●さば(1切れ100g)…1.8r
●かぼちゃ(100g)…4.6r              ●アボガド(1/2個100g)…2.3r
●ほうれん草(1/4束80g)…1.9r     ●さつまいも(1/2本100g)…1.2r
●アーモンド(10粒)…4.4r             ●落花生(10粒)…0.9r
●マーガリン(大さじ1)…1.7r
※ビタミンEは、1つの食品から大量には摂取できません。ですからより多くの食品を食べることが大切です。

 

 

栄養士    高橋 広海             

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