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NO.22

 

生活習慣病を防ぐ 〜糖尿病〜

'01.10月号

 

糖尿病とは
人間の体の細胞は、血液中の糖質(ブドウ糖)をエネルギーとして利用、貯蔵しています、そのためにはすい蔵で分泌されるインスリンというホルモンの働きが必要です。このインスリンが十分に造られなかったり、細胞に対して効きにくくなると、ブドウ糖はうまく利用されず血糖値が高くなります。これを糖尿病といいます。
糖尿病になる原因は、体質的なことの他、肥満や加齢、運動不足、不規則な食生活、ストレスなどが発症の可能性を高めます。
糖尿病患者は現在で約 690万人、潜在患者も入れると 1370万人、国民の10%以上になるといわれています。糖尿病を放置しておくと、網膜症や腎臓病、心臓病、足の壊疸などの合併症を引き起こします。
 
● 糖質の代謝 ●
@食物中の糖質は消化管で分泌され小腸で吸収
A肝臓ですべてブドウ糖に変換
Bブドウ糖は血液中に入り血糖として全身へ
◎すい臓から分泌されるインスリンが血糖値を調整

               ↓            ↓             ↓

・筋肉や臓器の細胞に取り込まれる     ・脂肪細胞に取り込まれる

 
 
糖尿病と食事
糖尿病にはまず食事療法が行われます。食事に注意するだけで血糖値をコントロールできる場合も多いのです。また、合併症や他の生活習慣病の予防になります。

(1)摂取エネルギー量を制限しましょう
インスリンの必要量を最小限にすることと、肥満の改善が大切です。具体的なエネルギー量は糖尿病の状態や、身長、体重、年齢、労働の量などを考慮した上で決定されます。
※摂取エネルギー量の計算
   身長(m)×身長(m)×22により目標体重を決め、この値から算出します。
   目標体重 1sあたり25〜35kcalの食事が基本となります。
   食事はお腹いっぱいに食べるのではなく、常に腹八分目に食べる事がポイントです。

(2)食品交換表を利用しましょう
決められたエネルギー量の範囲で栄養のバランスのとれた食事をとるために考えられたのが「糖尿病治療のための食品交換表」です。(日本糖尿病学会編:文光堂)
これは、1単位=80kcalとして、各食品の1単位に相当する重量を覚えていきます。そして、決められた単位表の範囲内で食品の交換ができます。
 

◎1単位=80kcalあたりの目安量◎

<第1群  乳・乳製品・卵>……日本人が不足しがちな栄養素を含む食品群
・普通牛乳…140g     ・鶏卵全卵…50g     ・うずら卵…50g
・プロセスチーズ…25g     ・ヨーグルト…135g
 
<第2群  魚介・肉類・豆・豆製品>……筋肉や血液を造るのに必要な食品群
・マグロ(赤身)…65g     ・たら…100g     ・かれい…80g     ・さけ…50g
・あじ…60g     ・牛、豚肉赤身…30g     ・レバー…60g     ・鶏肉(もも)…40g
・ささみ…80g     ・ロースハム…40g     ・ベーコン…20g     ・納豆…40g
・絹ごし豆腐…140g     ・枝豆…60g
 
<第3群  野菜・果物・いも・海藻・きのこ>……体の調子を整える食品群
・野菜は300gが1単位です。毎日100gは緑黄色野菜で摂取しましょう。
・りんご…160g     ・バナナ…100g     ・キウイ…150g     ・もも…200g
・いちご…130g     ・じゃがいも…100g     ・さつまいも…65g
 
<第4群  穀類・砂糖・油脂・その他>……力や体温となるエネルギー源の食品群
・白飯…55g     ・もち…35g     ・食パン…30g     ・ゆでうどん…80g
・上白糖…21g     ・いちごジャム…30g     ・マーガリン…11g     ・マヨネーズ…12g
・チョコレート…15g     ・キャラメル…20g     ・カステラ…25g
・清涼飲料水…200ml
※砂糖や砂糖含有量の多い食品はエネルギー量が高く、
   しかも血糖値を急速に高めるため、できるだけ控えましょう。
 

◎外食料理のエネルギー量の目安◎

・カレーライス…6〜8単位     ・ラーメン…5〜8単位     ・スパゲティ…3〜5単位
・カツ丼…8〜10単位     ・うな重…6〜8単位     ・ビーフステーキ…8〜10単位

 

 

栄養士    高橋 広海             

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