ホーム > あしたも元気 > 勘違いダイエットしていませんか

 
 

NO.21

 

勘違いダイエットしていませんか

'01. 9月号

 

前回、BMIについて記述しましたが、健康体重はBMI値が22だとされています。
[健康体重=身長(m)×身長(m)×22]
ですから、肥満の人は健康体重を目標にダイエットに取り組みましょう。
体重はただ減らせばいいというわけではありません。
健康的に痩せるコツは、余分な体脂肪だけを減らして、筋肉や骨は減らさないことです。
安易なダイエットや自己流の過激なダイエットは効果が無いばかりでなく、健康を害することとなります。

 
  

急激な体重の減量は…×
急激に痩せた人、特に1〜2ヶ月前後の短期間に、月4〜5s減量した人には、トラブルが見られる場合があります。肌荒れ、脱毛、貧血、立ちくらみ、動悸、息切れなどが主だといわれています。さらに、骨粗鬆症になりやすくなります。また、急激に痩せた人ほどダイエットを止めた途端に太りだし、以前よりも体重が増えやすいのです(リバウンド現象)

  

カロリーの落としすぎは…×
カロリーコントロールは大切です。しかし、必要以上に制限すると健康と日常生活に必ず影響がでます。よく体を動かすことを前提として、男性 1400〜1800kcal、女性 1200〜1600kcalを目安としましょう。
 
● 1400kcalの目安量 ●
<主食>
ご飯…茶碗 1杯(150g)×2回     ◎パン…8枚切り1枚×1回
<主菜>
肉…60g     ◎魚…1切れ(約70g)     ◎卵…1個     ◎豆腐…1/3丁
<副菜>
◎野菜…300g(毎食野菜料を1〜2品)     ◎果物…約1個     ◎牛乳…1本
<調味料>
◎油…大さじ1杯     ◎砂糖…大さじ1杯     ◎味噌…大さじ1杯

 
 
単品ダイエット・偏食ダイエットは…×
野菜だけ、りんごだけ、グレープフルーツだけ、こんにゃくだけ…などと何か特定の食品に頼る「単品ダイエット」や、食べられる食品の種類を極端に制限した「偏食ダイエット」は、長く続けていると、健康を損ねます。
減食するに当たって効果的なダイエット食とは、栄養素のバランスが整っているものです。そのためには、できるだけ多くの食品を摂取しなければなりません。

 

主食抜きダイエットは…×
ご飯やパン、麺類などの主食を食べずにおかずだけを食べてダイエットしている人がいます。これらの主食は、ほとんど炭水化物、つまり糖質からできています。糖質は、体にとって即効性の高いエネルギー源です。しかし、摂取しすぎると体脂肪に変換されやすい性質があります。
ただ、主食に含まれる糖質は“デンプン”で、甘いものに含まれる糖質とは性質が異なります。主食に含まれる糖質は、消化に時間がかかるので満腹感があり、特に食物繊維が多く含まれている、胚芽米や玄米、ブレッドなどは余分な脂肪の吸収を低下させる働きがあります。ですから、ダイエット中でも、ご飯1杯かパン1枚、せめて1日100g以上の主食を食べましょう。

 

水絶ちダイエットは…×
「水を飲んでも太る」といって水分の摂取を抑える人がいますが、水が肥満に結びつくことはありません。水分を摂取しないダイエットは危険です。人間の体の50〜60%は水分で占められています。水を飲まないで体重が減るのは、体から水分が減っただけあって、脂肪が燃焼したわけではありません。
水分の摂取を制限すると、血液が濃くなり、血栓ができやすくなってしまいます。水は、カロリーはゼロです。ダイエット中は食事からの水分の摂取量が減少しているので、水はきちんと飲みましょう。

 

食事だけのダイエットは…×
健康的に痩せるためには、運動が必要です。運動は、消費エネルギーを増やすだけではなく、体の機能を高め、筋力の低下を防ぎます。エネルギー源として脂肪を使うためには、歩行運動に代表される、有酸素運動を毎日15分以上続けましょう。これにより、基礎代謝量も高まり、太りにくい体質を作ります。
※体重の重い肥満の人や、長年の運動不足で肥満の人は急激な運動は止めましょう。

 

 

栄養士    高橋 広海             

前ページ < top > 次のページ