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NO.14

 

体を『冷え』から守りましょう

'01. 2月号

 

冷え性とは…
まだまだ寒い日が続いておりますが、手足が冷たくて眠れない、下半身がゾクゾクする…と言うような事はありませんか?「冷え症」と言う言葉を耳にした事はあると思いますが「冷え症」とは特定の病名のことを言うのではなく、体の特定の部位だけが冷たく不調な事を言います。人間は恒温動物なので、気温が下がれば寒いと感じ体温が下がらないよう脳は体内へ様々な器官に指令を出します。例えば体表面から放熱を抑えるために皮膚の毛細血管を収縮させ、血液循環量を減少させる事によって内臓は熱エネルギーの増産の増産をし血流量を増加させ体の各部も温まります。「冷え症」と呼ばれる人は何らかの原因があり、冷えに敏感で不快感を伴い、一度冷えると自力で体を温かい状態にできない、又温まりにくい状態が特徴です。一般的には手足の冷えで、心臓から最も離れているため冷えやすくそれ以外では腰、肩、首などが冷えて「コリ」といった症状が出る人も少なくないようです。

   

食べ物と冷え症の関係
人間にとって食べ物とは、体を形成し維持してくのに欠かせないものです。一般に人間は食事をすると体が温まります。これは体内に取り込まれた食べ物10%がすぐに熱エネルギーとして発散されるからです。このように食べ物は体温を上げる働きから内臓を働かせるエネルギーとなったり、体に必要な物質へ姿を変えて体を維持していきます。

 

食べ物で得たエネルギーの配分

どこか悪いと言うわけではないのに、体が冷えて不快感を伴う人は、食事の偏りに大きなゲ原因があるようです。冷え症を改善するには、まず食生活の改善からと言えます。特にインスタント食品やレトルト食品などの加工食品を多く利用している人、外食の多い人は冷え症を招きます。ライフスタイルの改善も心掛けましょう。

  
≪必要栄養素≫

ビタミンB1・B2

体内に取り込まれ糖質や脂質などをエネルギーに変換するときに必要です。不足するとせっかくのエネルギー源を効率よく生かす事ができないばかりか、エネルギーに変換できなかった環境が体内にたまり冷え症を引き起こす原因となります。また、脳や神経の働きが鈍くなったり皮膚や粘膜に異常がみられます。加工食品や甘いものに偏っていると不足します。
多く含まれているもの:豚肉・レバー・穀類・胚芽・大豆・大豆製品・牛乳・乳製品

   

ビタミンC⇒

毛細血管の機能を正常に維持する働きがあります。また、鉄分の吸収を促進します。冷え症の改善には必要です。不足すると抵抗力が落ち、血流が悪くなったり血管が切れやすくなります。水溶性で調理中に失われやすいので少なくとも100r/日は摂取します。
多く含まれているもの:野菜・果物・いも

   

ビタミンE⇒

老化防止、若返りのビタミンと呼ばれています。血管を若々しく保ち、血行を良くし新陳代謝を促進します。また、ホルモン分泌を調整します。冷えや肩こりなどの改善に使われます。不足すると抵抗力が落ちたり赤血球の寿命が短くなったりします。10r/日を目安に摂取します。バランスの良い食事をしていれば自然と摂取できます。
多く含まれているもの:植物油・魚・卵・緑黄色野菜・胚芽・ナッツ

 

≪体を温める食べ物・冷やす食べ物≫ 
温める食べ物⇒@物理的に温かいもの  A塩気、苦味、渋みがあるもの  B寒い地方で取れるもの
冷やす食べ物⇒@物理的に冷たいもの  A砂糖をたっぷり使ったもの  B熱帯産の果物(バナナなど)
 
薬膳の考え方では、食材は成分ではなくその性質によって、「熱性温性平性涼性寒性」の5つに分けられます。熱性とは体を温めたり興奮させるもので、ショウガやネギなどです。寒性とは、体を冷やしたり鎮静させるものでトマトやキュウリなどです。温性涼性とは、それぞれの熱性・寒性の性質が緩やかなもの。平性は両方の性質を持たないものです。ただし、素材そのものが体を温めるか冷やすかよりも、栄養素の過不足なく摂取することとまりバランスが必要です。また、素材の種類より育ち方が大切です。どこの場所でどのように作られたものなのか…など、天然のもの有機栽培のもの添加物の少ないもの旬のものを選びましょう。調理法にも気を使いましょう。生野菜は体を冷やしますが茹でたほうれん草や人参を組み合わせたり、ごま油をかけたりするなどちょっとした工夫をしましょう。
 
※食事は和・洋・中を組み合わせましょう
和・洋・中を組み合わせることによって、食材や調理法、味付けも異なります。つまり摂取できる栄養素が増え味覚も楽しめます。
 
※小量のアルコール類を飲むのも良いでしょう
お酒を飲むと血行が良くなり体が温まることは良く知られていることだと思います。冷え症の人は温かいお酒を飲みましょう。お酒の血行促進作用の他に物理的にもお酒の熱い温度が体を温めます。落ちついた気分で芯から温まりましょう。飲みすぎには気をつけましょう。
 
※食後は温かい飲み物を飲みましょう
温かいコーヒーや紅茶、ウーロン茶など消化を促進する作用や利尿作用があるので、飲むように心がけましょう。また、食後に限らず飲み物はなるべく温かいものにしましょう。

 

栄養士    高橋 広海             

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